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・米利下げ観測の高まりが市場を牽引、本日のFRBメンバーの発言に注目
・米ドル回復も米株式と米国債利回りの動向に焦点
・ポンドは明日の英中銀の政策決定次第、英総選挙の時期にも注目
・再び円安へ、イスラエルによるラファ地上作戦開始でゴールドは安定
米ドル回復、株式市場のラリーは一服
米株式市場のラリーが一服し、米ドルは先週の米雇用統計後にユーロに対して下落した損失分をほぼ取り戻して回復しています。FRBのハト派への期待が材料視されていますが、FRBとしては、早ければ6月での利下げの可能性を検討するには、一連の軟調な米経済データが必要となります。次の重要な経済データは、来週の5月15日予定の4月の米インフレレポートとなります。
FRBジェファーソン副議長、ボストン連銀コリンズ総裁、そしてクック理事らが本日、講演を予定しており、注目となるでしょう。昨日、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁が比較的控えめな発言をしたことから、本日の講演もおそらく、先週のFOMC会合でのパウエル議長の発言からそれほど逸脱しないと見られています。
明日は英中銀による政策金利発表、英総選挙の時期にも注目
イングランド銀行は、明日政策会合が予定されており、軟調となった米雇用統計を受けて、ハト派となると予想されています。6月での利下げについては、市場で意見が分かれていますが、明日の四半期見通しが、今後のイングランド銀行の方向性に重要の役割を果たす可能性があります。ポンドは引き続き米ドルとユーロから圧力を受けています。
イギリスでの経済動向のほかに、市場は労働党の勝利となったイギリスの地方選挙の結果を吟味しています。現在の労働党は、1997年から2010年にかけてイギリスを率いた労働党とは政策の方向性で大きく異なりますが、市場は労働党の左寄りの政策を受け入れるのは難しいと見るかもしれません。一方でスナク首相は、来たる国政選挙での完全敗北の脅威がさらに確実性を帯びてきている中、保守党からの厳しい批判に引き続き直面しています。
市場の観点からは、イギリスの国政選挙の時期が重要となります。米大統領選挙の直前または直後に国政選挙を行うことは避けて、英総選挙は9月となる可能性が高く、イングランド銀行の金融政策の緩和計画に大きな影響となる可能性があります。
中東情勢の緊張に再び脚光、ゴールドは上昇
中東情勢の進展が再び注目となる中、ゴールドは2,300ドル台を突破して上昇しています。イスラエルは、米国とその同盟国からの強い抵抗にもかかわらず、ラファへの地上作戦を開始しました。エジプトでは、拉致被害者の帰還を含む停戦延長へ向けた交渉が再開されましたが、合意に至る可能性は極めて低くなっています。
再び円安へ
日銀による2度の介入と低調となった米雇用統計からの円高も一段落し、ドル円相場は再び上昇しています。鈴木財務相と日銀植田総裁らは引き続き口頭での介入を警告していますが、市場は好意的な反応を示していません。全体として、為替介入が成功するには、金融政策のサポートが必要です。FRBは夏に利下げに踏み切ると見られているため、今度は日銀がタカ派となることが期待されています。