マーケットコメントー次の米経済データを控え株式上昇、米ドル安定

投稿日: 2024年4月24日17時53分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・米PMI景況指数は予想を下回り、株式市場は前向きムード
・引き続き米経済データに焦点の中、今週は重要な決算報告も
・金曜日の日銀政策会合を前にドル円相場は150円を若干下回って横ばい
・豪インフレ加速で豪ドル上昇

低調な米PMI指数は米株式市場に好材料

ここ最近の米経済データと特に4月中旬の米CPI指数によって、市場にはFRBが年内に利下げに踏み切らない可能性への警戒感が高まっています。今年1月には、市場は年内に6回もの利下げを確信していたことから比べると、この変化は著しいことがわかります。

しかし米株式市場は、数日の下落後、昨日のセッションでは上昇となりました。米購買担当者景況指数(PMI)が予想外に低調であったことから、S&P500は2月以来の堅調なラリーとなるなど、市場の勢いに変化がありました。

本日の耐久財受注も低調となる場合、株式市場の前向きなセンチメントは維持される可能性がありますが、短期的な見通しとしては、明日の米GDP速報値次第となることは明らかです。現在の予想ではGDP成長率は年率2.4%で、この数値が予想以上となる場合、株式市場でのさらなる調整が見込まれるかもしれません。

企業の決算報告は予想以上に好調

本日の閉場後、メタ社による決算報告が予定されており、マイクロソフトとアルファベットは明日決算報告となります。テスラは昨日、第1位四半期の決算を発表し、大方の予想を下回る業績だったにもかかわらず、閉場後も市場は比較的楽観ムードでテスラの株式は上昇しました。この上昇の背後には、テスラが現在よりも手頃な価格での新車モデルを発表する計画があります。

昨日はまた、ビザが安定した個人消費を背景に収益が急増したと報告しました。おそらく、この決算報告は、高い金利でも消費意欲には影響はなく、その結果インフレが加速し続けるため、FRBのハト派メンバーにとっては警笛を鳴らすことになるでしょう。

米ドルは上昇を維持

本日の米ドルは、ユーロ/ドルが1.07付近で横ばいとなっており、株式市場ほど勢いは見られません。昨日のユーロ圏のPMI企業調査の速報値が予想以上に堅調だったことから、ユーロと欧州株はサポートされ上昇となりましたが、次のユーロ圏の経済データが低調となる場合、この勢いが反転する可能性があります。

さらに、ECBによる6月の利下げについても、まだ確定している訳ではなく、FRBが引き続き金利据え置きとなる中、ECBが大幅な利下げに着手する必要性もないとの見解が強まっています。ドイツ中銀ナーゲル総裁とECBシュナーベル専務理事は、本日講演をする予定で注目となるでしょう。

一方ドル円相場は、日本政府による対応待ちの中、155円を若干下回る水準で横ばいとなっています。金曜日の国内インフレ見通しが、日銀の政策会合に重要な役割を果たすことになります。市場はこの政策会合にて追加利上げはないと予想しています。

豪インフレレポートが予想以上に加速で豪ドル上昇

オーストラリアでの今年初めの四半期でのインフレレポートが本日発表され、予想以上に加速していることが確認されました。このデータにより豪ドルは上昇し、米ドルに対して4セッション連続で上昇しました。オーストラリア準備銀行は、年内での利下げの確率はゼロと市場が予想しており、現在最もハト派ではない中央銀行と見られています。