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・イランとイスラエル間の紛争悪化への懸念緩和で世界市場は前向き
・株価は下落後回復へ、原油価格とゴールドは下落
・今週は重要な経済データやイベント、ハイテク社による決算報告に注目
地政学上の緊張緩和でリリーフラリー
イスラエルとイランの間での紛争が悪化しないことが示唆され、投資家らを安心させたようで、今週の世界市場は前向きなムードで始まりました。株式などのリスク資産は本日回復しましたが、原油価格やゴールドは下落し、中東での紛争が大規模な戦争となることへの懸念が後退したことを反映しています。
イスラエルとイランともに、報復が犠牲者を生み出さない「調整された」報復であったことからも、両国ともに本格的な戦争に突入する意思がないことが明らかとなりました。その意思は、水面下で両国間の緊張緩和を図っている米国にとっても同様です。
したがって投資家は、余波が収束することを期待し、よりリスクの高い資産への投資を開始し、ヘッジを清算しています。原油価格は、供給への混乱のリスクを考慮して、中東での懸念のバロメーターとして機能しており、先週から5%下落したことから、エネルギー市場の投資家は緊張緩和を期待しているようです。
株式市場とビットコインは回復
この中東での緊張緩和を反映して、米株式先物は、本日の開場時に0.4%辺り上昇することが示唆されています。この数値は明るい材料ですが、先週の損失のほんの一部にすぎないため、投資家はまだ積極的にポートフォリオにリスクを負わせるつもりはないようです。
地政学上の緊張以外にも、株式市場は、特に米国企業が決算シーズンに好調な成果を発表しない場合、国債利回りの急上昇がバリュエーションに圧力がかかる危険があります。明日は、テスラとビザによる四半期決算報告があり、今週はまたメタとグーグル、そしてマイクロソフトの決算報告も控えています。
ビットコインも上昇基調で、週末の半減期を受けて、本日約1.5%上昇しました。この半減期は、理論上では供給の低下から、ビットコインにとっては強気となるイベントとなりますが、実際は前向きな材料となる要因は既に織り込まれているようです。
ゴールド後退、円安は依然として最安値付近
ゴールドは本日、珍しく売りとなりましたが、今月初旬の最高値付近にとどまっています。全体として、債券利回りと米ドルの上昇は通常ゴールドには打撃となりますが、ゴールドを巡るセンチメントは依然として前向きであり、今年のゴールドの下落が小幅にとどまっていることからも明らかです。
為替市場のムードは一層落ち着いた様子でした。地政学上の懸念から、先週の金曜日にボラティリティが高まりましたが、本日のほとんどの主要通貨ペアは、始値付近で取引されました。注目すべき点は、ポンドが金曜日の損失から回復することができずにいることで、依然として警戒感があることを示唆しています。
一方、日本円は引き続き数十年ぶりの安値となっており、政府による介入に市場は警戒感を高めています。そうは言っても、これまでの政府関係者からの口頭での警告は、介入が差し迫っていることを示唆しておらず、オプション市場市場でも同様です。
今週は、明日に各国の購買担当者景気指数が発表され、木曜日には米GDP、そして金曜日には日銀の政策会合決定と、忙しい一週間となりそうです。