マーケットコメントー本日の米CPI指数を前に米ドルと株価は上昇

投稿日: 2024年4月10日17時50分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・本日の米CPI指数を前に米ドルと株価は上昇
・米CPI指数が予想以上に上昇となる場合、株式市場の行方に注目
・NZ中銀は現状維持もハト派維持、本日のカナダ銀行による政策金利発表はハト派となるか

本日の米CPI指数を控え、米ドルと株価は上昇基調

今週のカギとなる米CPI指数を控え、本日の米ドルは上昇しています。 明日のECBによる政策金利会合も重要ですが、本日の米インフレレポートは、5月1日のFRB次回会合までの市場全体のパフォーマンスを決定する可能性があります。

市場は7月での最初の0.25%の利下げを織り込んでおり、夏の利下げに固執しています。7月での利下げの可能性はあるものの、ここ最近の経済データからは、経済が後押しを必要としていることは示唆されていません。したがって、本日のインフレレポートが極めて重要となります。

予想では、総合インフレ指数は前年比で3.4%上昇とわずかに上昇することが示唆されていますが、コア指数は3.7%まで緩和すると見られています。これらの水準は、これから利下げに取り組む中央銀行にとっては、矛盾するものとなります。興味深いことに、インフレレポート発表後、FRBのボウマン理事、リッチモンド連銀バーキン総裁、そしてシカゴ連銀グールスビー総裁の3人のメンバーが講演する予定で、このCPI指数について発言する可能性があります。

本日の米インフレレポートが予想以上に上振れとなる場合、米ドルはユーロに対して上昇する可能性がありますが、その後の動向は株式市場次第となるかもしれません。金曜日に決算報告シーズンがスタートする中、FRBによる年内の利下げはないと判断する場合、株式市場には懸念が広がる可能性があります。

本日のカナダ銀行による政策金利発表はハト派となるか

本日はまた、カナダ銀行による政策金利会合があります。カナダでのインフレは急激に減速し、3月の失業率が26か月ぶりの高水準と達するなど、労働市場が大幅に緩和しており、カナダ銀行が次に利下げに踏み切る可能性があります。

しかし、原油価格が上昇していることから、この見通しは複雑となっています。原油価格の上昇はカナダ経済にとっては追い風となり、WTI原油先物は3月のカナダ銀行の政策会合以来、約10%以上も上昇しています。カナダドルは今年の初頭より圧力を受け続けており、カナダ銀行がハト派となる場合、このトレンドを裏付ける可能性があります。

NZ中銀は金利据え置き決定でタカ派を維持

本日のニュージーランド準備銀行による政策金利発表は、期待されたハト派転換とはならなかったことから、NZドルは米ドルと豪ドルに対して上昇しています。ニュージーランドの経済は景気後退に陥り、インフレも低下傾向となる可能性があるにもかかわらず、オア総裁らは2月の声明と同様に「オフィシャルキャッシュレートを長時間制限的な水準に保つことで、消費者物価上昇率は今年中に目標である1%から3%の範囲に戻る」との発言を繰り返しました。

ゴールド続伸もビットコインは下落で行方分かれる

ゴールドはいくつかの要因から、すべてのセッションで最高値を更新しています。昨日、ビットコインは市場参加者が半減期を見据えていることから下落したため、ゴールドとビットコインとのほぼ完全な相関関係が崩れたことは興味深いと言えます。