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・ゴールドは最高値辺りで維持、このラリーは過剰気味か?
・円安は数十年ぶりの安値付近まで進行で本格的介入に警戒感
・米ドルは小幅下落、株価は横ばい、明日のNZ中銀による金利政策会合に注目
輝くものすべてはゴールド
安全資産として世界で最も長い歴史を誇るゴールドは、利回りの上昇と堅調な米ドルといったマイナスな圧力にもかかわらず、今年13%以上も上昇し、過去最高値を更新し続けています。
ゴールドは、特に中国が米ドル依存を減らす目的から購入を増加させるなど、世界の中央銀行による購入から上昇しています。中国の消費者もまた、低迷する不動産セクターと株式市場からの保護策として、ゴールドを購入しています。さらに、不安定な地政学的な情勢の中、安全資産としての役割から資金が流入しています。
短期的な観点からすると、ゴールドのラリーは上昇する勢いが早すぎるリスクがあります。過剰に買われすぎの状態となると、オシレーターが作用して、ゴールド価格の後退への警告となり得ます。
しかし、ゴールドのラリーは過剰気味であること以外では、ファンダメンタルズは依然としてゴールド購入者に有利であるようです。 ゴールドは中国の外貨準備高の約4%ほどにすぎず、さらに購入を続ける余地が十分にあります。同様に、中央銀行が利下げを開始し始めると、特に世界経済が勢いを失う場合、利回りの低下からゴールドは恩恵を受け続ける可能性があります。
円安は為替介入付近まで進行
為替市場では、円安が進行しており、米ドルに対して34年ぶりの安値付近で取引されています。先月の日銀によるシンボリックな利上げにもかかわらず、日米間の金利差は依然として極端に大きく、円は不安定な状況となっています。
金利以外にも、原油価格の上昇と株式市場の高揚感が、さらに安全資産である日本円の需要を抑制しています。これ以上の円安を回避するために、日本政府は再度介入への警告を始め、鈴木財務相は本日、「あらゆる手段を排除しない」ことを改めて表明しました。
しかしながら、鈴木財務相は為替市場を「過剰」または、「一方的」との本格的な介入への警告を示唆する文言は発しませんでした。したがって、介入への警告が強まったとはいえ、ドル円が152円に達する際に介入するとは見られていません。
インプライド・ボラティリティは依然として低いままであることから、この見解はオプション市場でも共有されているようで、市場は近い将来、円に関して大規模な動きがあるとは見ていないことが示されています。
その代わりに、ドル円相場での介入の可能性のある本当の「危険なゾーン」は、155円から156円辺りとなるかもしれませんが、このような動きの速さが特に重要となるでしょう。円安進行が早ければ早いほど、介入のリスクが高まります。
米ドル小幅下落、株価横ばい、明日のNZ中銀による政策会合決定に注目
一方、昨日の米ドルは、これといった材料のないまま小幅下落しました。米ドルにとっては、持続的なインフレ圧力が、FRBの6月での利下げ決定に大きな役割を果たすことから、明日の米CPI指数が重要になります。
米株式市場は、米CPI指数と決算シーズンなど、新たな動きとなるデータ待ちで様子見となり、横ばいで取引されました。
最後に、ニュージーランドでは、ニュージーランド準備銀行が明日、金利政策会合での決定を発表します。予想では据え置きと見られており、NZドルは引き続き中国の動向に影響されやすい可能性があります。