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・神田財務官による介入警告で円安は一服
・人民元も回復で米ドルは広範囲で下落基調
・イースター休暇前で株式市場のラリーも一服、今週はコアPCE指数に注目
神田財務官の介入警告で日本円は安定
先週の日本円は、日銀によるハト派的な利上げを受けて3.5%下落した後、本日はより安定した形で小幅上昇となりました。日銀によるマイナス金利解除は予想通りで、市場は追加利上げへの示唆がなかったことに期待外れの反応を示し、他の中央銀行が利下げが近づいていることに積極的に示唆したにも関わらず、その後円安となりました。
しかし予想通り、1ドル152円に近づくにつれて、日本政府による口頭での介入警告が始まったことから、円の売りは後退しました。先週の金曜日、鈴木財務相は抑え気味で警告を発しましたが、本日、為替の動きを注視する神田財務官は強い口調となりました。
神田財務官は、円安は「経済のファンダメンタルズに沿っていない」として、政府はいかなる選択肢も排除しておらず、「過度な変動に対して適切な措置を講じる」と警告しました。
この発言以来、日本円は1ドル151円30銭辺りで安定していますが、さらなる投機的な攻撃を受けやすいという点では、問題解決には程遠いと言えます。日本円が本当の意味で回復する最大のチャンスは、今週木曜日に公開される日銀の政策会合議事録にて、さらなる引き締め政策について前向きであることが明らかになる場合でしょう。
人民元も回復基調
本日は人民元も上昇しています。先週の金曜日に人民元が下落したことから、中国人民銀行は人民元強化のために、繰り返し米ドル売りを行ったと報じられました。人民元安によって、市場が中国経済への信頼感の低下と解釈することを危惧した中国政府による配慮と見られます。
日本円と人民元が回復したことで、米ドル下落となりましたが、本日は主要通貨に対して、米ドルは横ばいか小幅下落で取引されています。
米ドル上昇は一服、今週のパウエル議長の発言とコアPCEデータに注目
ここ最近の米ドル上昇が一服したのかどうかを判断するのは難しいですが、米ドルの下落は一時的となる可能性があります。金曜日に、アトランタ連銀ボスティック総裁は、年内に3回の利下げを示唆するFRBによる新たなドットプロットに対して疑問を投げかける発言をしました。今年はFOMC会合において投票権と持つボスティック総裁は、インフレが2%まで低下することに確信が持てないことから、年内にたった1回の利下げを予想していると記者団に語りました。
この発言は、FOMC会合後に債券市場と株式市場でのラリーを引き起こしたパウエル議長によるインフレに対する前向きな発言に反するものとなりました。パウエル議長は、最新のPCEインフレデータが発表される今週の金曜日にも講演の予定があります。この講演にて、自分の発言を大幅に撤回するとは考えにくいですが、特にコアPCEが加速する場合、インフレの上振れリスクを強調するとなると、姿勢を後退させるリスクがあります。
イースター休暇を前に株式市場は集約の可能性も
今週末はイースター休暇で米国市場を初め、多くの主要市場が金曜日から月曜日まで休場となり、流動性が低くなる中、いかなる反応も誇張されて反映されるリスクがあります。
先週の金曜日に、S&P500は3日連続で更新した最高値をわずかに下回って取引を終え、本日の米先物は赤字で取引されました。
ユーロとポンドは緩やかに反発、原油価格も上昇基調
為替市場では、ユーロとポンドが先週の急落から小幅上昇しています。スイス国立銀行は、予想外に利下げを決定したことで、イングランド銀行とECBが、それぞれの会合にてハト派に転じたことも強調されました。
人民元の上昇から、本日の豪ドルは堅調に回復しました。
原油価格も、ウクライナとロシアでの戦闘再燃や、イスラエルとハマス間での停戦交渉に進展がないことから支えられて、上昇に向かっています。