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・米株式市場は利下げ観測への楽観ムードから株式市場のラリーを牽引
・米ドルは予想外に反発して上昇
・英中銀ハト派に転換でポンド下落、中国人民銀行は元安を多少容認
中央銀行による緩和政策への期待高まり、株式市場は上昇基調
今週、世界主要国の中央銀行による金利政策会合が終わり、今年の利下げ観測が確認されたことを受けて、米株式市場は力強い上昇に向かっています。今月の初め、ECBが利下げ観測を後押しする姿勢を見せた後、FRBとイングランド銀行も今週、今年後半に一連の利下げを期待する市場予想を押し戻す発言はしませんでした。
スイス国立銀行にいたっては、予想外にも0.25%の利下げを実施し、緩和サイクルを開始した最初の中央銀行となりました。日銀でさえも、待望のマイナス金利からの脱却はハト派的な利上げとなりました。
FRBやECBなどは、インフレの粘着性が続く中、利下げの正確なタイミングと利下げ幅について、まだ不確実性が残りますが、市場は今月の政策会合が前回1月の会合のようにタカ派とならなかったことに安堵感を覚えたようです。
米株式市場のラリーは止まるどころか、夏での中央銀行による利下げが確実視され、債券利回りの回復が見込めない中、一連の中央銀行の決定によって、強気市場にますます勢いがついたようです。
昨日のS&P500は、3セッション連続で最高値と更新し、週刊上昇率は2.4%となりました。ナスダック総合指数は、初めて16,400を上回って取引と終えました。フランスとドイツの株価指数も過去最高値を更新し、ロンドンのFTSE100も追い上げており、日経225に関しては、日銀政策発表後の上昇分を拡大して、本日は最高値を更新しました。
人民元下落、豪ドルも下落
中国と香港では、米国の投資信託による特定の中国企業への投資を制限する下院議員の新たな取り組みから、株価が下落したため、ムードはそれほど明るくはなりませんでした。また、中国人民銀行が多少の元安を容認したことから、人民元は米ドルに対して7.23ドル台まで下落し、4か月ぶりの安値となったことから、中国市場は不安定となりました。
中国でのさらなる緩和政策への期待は、以前から重荷となっていましたが、これまでは人民元の下落を中国経済が低迷していることへの兆候と解釈されることもあり、政府としては容認することに消極的でした。
またタイミング的にも、FRBが他の中央銀行よりも積極的に利下げに踏み切るという予想が後退したため、米ドルが新たに上昇した時期と一致します。
本日の豪ドルは最も下落しており、昨日のオーストラリアの雇用統計が堅調であったことを背景とした一時的な上昇が反転しました。スイスフランも米ドルに対して4か月ぶりの安値まで低下しており、ユーロは1.08ドルの水準近くで取引され、ポンドは1.26ドルを下回って1か月ぶりの安値を下回りました。
英中銀は年内の利下げの可能性示唆でポンド下落
昨日のイングランド銀行による金利政策会合では、予想通り金利を据え置きを決定しましたが、ベイリー総裁は、政策決定後のファイナンシャルタイムズとのインタビューで、利下げは「進行中である」と述べました。金融政策委員会では、これまで利上げに投票していた2人のメンバーが今回は反対しないことが示され、委員会にとっては注目すべきハト派への転換となり、ポンドは圧力を受けていました。
ベイリー総裁はまた、年内に複数回の利下げを予想している市場の見方を支持しているようにも見られました。イギリスの2月のインフレは3.4%まで減速しており、今後数か月でさらに減速すると予想されています。本日の英小売売上高は予想以上に上昇しましたが、米ドルに対するポンドの下落を止めることはできませんでした。
米ドルは急上昇、日本円は介入警告で安定
今週の米ドルは、FOMC会合が予想以上にハト派となったことから圧力を受けましたが、その後急激に上昇しています。日銀が景気刺激策を完全に撤回するために暫定的な措置を発表しましたが、市場の反応は薄く、火曜日に米ドル上昇となりました。さらに木曜日のスイス国立銀行による予想外の利下げから、さらに米ドルは上昇しました。
市場は、FRBが年内3回の利下げを行うことに楽観的ですが、各国の中央銀行が利下げを開始する場合、利回りの差が他の通貨に有利な形で縮小する可能性は低いでしょう。
重要なことは、米経済が他国と比べて好調であることから、FRBが他の中央銀行のように期待通り利下げを行わないリスクも高いことです。昨日の米失業保険申請件数と住宅関連の経済データ、そして米PMI指数予想から、堅調な米経済が裏付けされています。
したがって、米国のみが例外であることから、日本円などが回復する可能性はほとんどないため、米ドル上昇はしばらく継続するかもしれません。円安が進行したことで、鈴木財務相は、為替市場の動きについて「高い危機感」を持っていると警告し、1ドル151円50銭辺りで日本円は安定しました。
米ドル上昇によって、ゴールドは昨日の最高値から下落し、1オンス2,166ドル辺りで一服しました。一方原油価格も、ガザでの停戦合意が近づいていることへの期待から続落となりました。