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・米インフレは予想外に加速も市場の反応薄
・米ドル上昇は限定的、株式市場は最高値更新
・ゴールドは利益確定で下落、日銀による政策変更への憶測も円安
予想外に米インフレ加速も市場の反応薄
昨日の米CPI指数は予想以上に加速しましたが、市場の反応は薄かったようです。消費者物価指数による2月のインフレは3.2%となり、予想の3.1%横ばいを上回りました。コアCPI指数についても同様で、予想よりも減速しませんでした。
米インフレ加速にもかかわらず、世界市場はそれほど反応しませんでした。市場はFRBによる6月での利下げ観測を後退させたため、米ドルは上昇しましたが、この上昇も限定的となりました。市場はこのインフレ加速でも、他の米経済データが最近、米経済の軟化、特に労働市場の減速を示唆していることから、FRBによる利下げのタイムラインには大きな影響はないだろうと確信しているようです。
全体として、ここ数か月の米経済データに対する市場の反応には明らかに偏りが見られます。堅調な米経済データでは、それほど米ドル上昇とはなりませんが、軟調な米経済データは米ドルに深刻な打撃となる傾向があります。
米ドル急騰とならない背景の一因としては、株式市場での楽観ムードがあり、米ドルのような安全資産への需要が抑制されているからでしょう。つまり、米ドルが急上昇するには、高騰する株式市場の調整が必要となる可能性があり、それはしばらくの間起こるとは思われません。
株式市場は最高値更新
米株式市場は、昨日の米CPI指数への反応は全くなく、その代わりに最高値を更新して取引を終えました。AIを巡る市場の熱狂が最高潮に達する中、特にエヌビディア株は7%上昇するなど、半導体メーカーやハイテク株がその上昇を牽引しまいした。
インフレが持続的に高止まりしているため、金利がより高く、より長くなるとの株式市場の宿敵にさえも影響されることがないように見られ、株式市場の強力な好調さを物語ることになりました。株式は、利下げが近いといったような経済成長に関する悪材料には、大きなダメージを受けることなく吸収できます。しかし、インフレ加速といったネガティブなニュースには、通常もっと影響を受けやすいものです。
したがって、この株式市場のラリーを停止させる要因を予測することは難しいといえます。S&P500はアナリストが今後1年間に予想する利益の21倍で取引されており、バリュエーションは非常に割高となっています。しかし、AIによる収入の流れから恩恵を受けて、企業収益も再加速して、バリュエーションの高さを正当化していると市場は確信しているようです。
要するに、株式市場のバリュエーションが歴史的に見ても高価であるにもかかわらず、現在の株式市場のラリーはまだ「バブル」のようには見えません。そうは言っても、このバリュエーションが高くなればなるほど、経済が市場の思うように好調とならない場合の売りに対して、株式はより影響されやすくなるでしょう。
ゴールド下落、日銀利上げ観測高まるも円安
米CPI指数発表後、債券利回りと米ドルが上昇したことから、ゴールドの魅力が一部低下したため、驚異的なラリー後の利益確定の波が押し寄せ、ゴールドは今月初めて下落しました。
一方日本では、春闘での賃金交渉が大成功との兆しが見え始め、日銀が早くて来週の会合にも引き締め政策を開始する可能性が出てきたにもかかわらず、今週の日本円は下落基調です。
市場は、持続的な円の回復に消極的なように見えます。最終的には、日銀による利上げが1回限りとなるかどうかが問題であり、世界的に利下げが開始される中、日銀はこの動きに逆流しているように見られます。したがって、日銀が来週にも象徴的な利上げを実施するとしても、日本円に大きな打撃となったキャリートレードは、継続する可能性があります。
本日の焦点は、最新の米生産者物価指数となるでしょう。