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・本日のパウエル議長による議会証言を前にゴールドは最高値更新
・ビットコインも最高値更新もハイテク株と共に後退
・本日はカナダ銀行による 政策決定とイギリスの予算案に注目
ゴールドは最高値更新、本日のFRB議長による議会発言に焦点
昨日のゴールドは史上最高値を更新し、今月既に4%以上上昇しているラリーを延長しました。ここ最近の軟調な米経済データから、利下げ観測が再び高まり、実質利回りと米ドルを押し下げたことで、ゴールドは上昇しました。
2月の米ISM非製造業PMIによると、非製造業活動は勢いを失い、雇用状況が軟化し、インフレ圧力も減速していることが示唆されました。工場受注も期待外れとなり、米経済は好調なスタートを切ったものの、成長の勢いを失いつつある現状が明らかになりました。
ゴールド上昇の背景には、国債利回りと米ドルの下落以外にも、準備金の多様化を模索する中央銀行による記録的なゴールド購入と、不動産と株式市場の低迷から保護を求める中国の消費者による購入があります。
ゴールドがさらに上昇を拡大するかは、本日FRBパウエル議長が下院での議会証言で何を発言するかによるでしょう。通常、パウエル議長が経済の見通しについて見解を求められる質疑応答が焦点となります。
パウエル議長が、最近の企業調査に触れず、「客観的な」データの大部分が堅調であることからFRBは利下げに急ぐ必要はないと主張する場合、ゴールドのリスクとなり得ます。この場合、ゴールドの幅広い上昇トレンドに変更はないと見られるものの、上昇ラリーは一段落するかもしれません。
ビットコインと株式市場は最高値から後退
仮想通貨では、ビットコインは昨日史上最高値を更新しました。利下げ観測の高まりと機関投資家からの関心の高まり、そして、来月の半減期を前に供給が鈍化するとの見通しによって、ビットコインはサポートされています。
このビットコインのラリーが「スマートマネー」によって引き起こされていることは、個人投資家だけでは史上最高値を更新するとは考えにくいため、単に利益追求というよりは、投資家の間で品質とボラティリティの低さを好んでいることが示唆されます。そうはいっても、ビットコインは新記録を達成した後、株式市場が圧力を受けたことで、利益確定の動きから後退しました。
米株式市場は、投資家がハイテク株の利益確定に動いたことから、珍しく売りに見舞われ、S&P500はその価値を1%失いました。アップルは特に最近の下落を牽引しています。アップル株は、収益の伸び悩みとAI関連の競争において取り組みが遅れていて、今年11%以上下落しています。
もちろん、株式市場は依然として最高値に近い水準で取引されているので、投資家はパニックに陥っていません。
本日は英予算案とカナダ銀行の政策決定にも注目
イギリスでは、本日ハント財務相が新予算案を発表する予定です。保守党にとっては大敗がほぼ確実とされる総選挙を控え、ハント財務相は有権者を取り戻す最後の手段として、労働者のための減税を発表すると見られています。
所得税や国民保険料の引き下げは、消費者に現金を還元することになるため、個人支出とインフレを刺激し、結果としてイングランド銀行は金利をより高く、より長く維持するよう圧力となるので、ポンドにとっては朗報となり得ます。ただし、この場合も、大幅な税制変更の余地はあまりないため、ポンドの上昇も比較的限定的となる可能性があります。
カナダでは、本日金利政策会合が予定されており、金利を据え置くと見られていますが、最近のインフレ減速を受けて慎重な姿勢を表す可能性があります。経済データでは、ADP とJOLTSによる米雇用統計にも注目が集まります。