マーケットコメント―本日のFOMC会合議事録とエヌビディア決算報告が焦点に

投稿日: 2024年2月21日19時17分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・本日のFOMC会合議事録を前に米ドル下落
・ゴールドは続伸、中国関連資産も利下げ後上昇
・株式市場の今後のムードは本日のエヌビディアの決算報告次第

本日のFOMC会合議事録で米ドル上昇となるか

今週の米ドルは新規材料難にもかかわらず、続落しています。一連の経済データによると、今四半期の経済成長率が3%に達するなど、米経済は依然として堅調に推移しており、労働市場も歴史的に見ても逼迫し、インフレ率は高止まりしています。

したがって、マクロ経済上は目立った変化がないことから、この米ドルの下落の背景には、米経済が他国の経済よりも好調であることから、より広範な上昇トレンド内での後退であるのかもしれません。英国と日本がテクニカルリセッションに陥る中、ユーロ圏の成長率も停滞しており、中国でも不動産セクター低迷から、米ドルは後退する主要通貨の中で一番輝いている通貨と言えます。

本日はFOMC前回会合の議事録が公開される予定で、米ドル回復の機会となるかもしれません。1月の会合以来、FRBメンバーは、米経済の底固さを強調し、早期の利下げがインフレを定着させるリスクを高めると警告して、利下げを期待する市場に忍耐強く待つように説いています。

ここ最近の経済データもこの見解を裏付けしており、米消費者物価指数と生産者物価指数はともに、1月に予想以上に上昇しました。前回の会合は、このデータ結果は明らかになる前でしたが、議事録は時に、FRBが伝えたいポイントを強調するように作成されることがあります。

この場合、米経済が好調であることから、近い将来FRBが利下げに踏み切れないとの根本的なメッセージとなるかもしれません。したがって、ドルの回復につながるシグナルとなる可能性があります。

ゴールド回復、中国経済への楽観ムード広がる

ゴールドは、6セッション連続で米ドルが後退したことから、同時期に上昇して取引されています。ドル安によって、海外の投資家らは、ドル建てのゴールドを割安で購入することができるため、ゴールドの需要も増大しています。

このゴールドの上昇は、本日のFOMC会合議事録でも試されることになるでしょう。もし議事録が早期利下げに反対するFRBメンバーの見解を裏付けする場合、米ドルと米国債利回りにとって上昇する材料となり得ることから、反対にゴールドにとってはマイナスとなり、上昇基調が止まることになるかもしれません。

一方、中国経済関連の資産は、低迷する不動産セクターへの刺激を目的とした昨日の中国人民銀行による住宅ローンの利下げにより、再び活気づいてきました。中国の株式市場と豪ドルやNZドルなどの中国関連通貨は恩恵を受けて上昇しています。

この新たな楽観ムードにもかかわらず、中国人民銀行による今回の利下げが、何十年にもわたる投資不足と過剰投資の余波に直面している不動産セクターを救済するのに十分とは言い難いでしょう。中国政府が金利低下を補う大幅な財政刺激策を打ち出さない限り、市場の回復は再び限定的となる可能性があります。

本日のエヌビディア決算報告に期待高まる

本日のエヌビディアによる四半期決算報告は、自社株だけでなく、今年の株式市場全体に影響する可能性があります。アナリストたちは、AIブームから、エヌビディアの収益は昨年から400%以上増加したと予測しており、期待が高まっています。

本日のオプション市場では、エヌビディア株の変動率をいずれかの方向で11%と想定しており、必然的に株式市場全体に影響を与えることになります。

他のニュースとしては、来週からドラッグストア大手のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスの代わりに。アマゾンがダウ・ジョーンズ工業株平均に加わることになります。