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・明日のFOMC前回会合議事録の公開を前に米ドルは強弱まちまち
・NZ中銀による利上げ観測の高まりでNZドル続伸
・豪中銀の前回会合議事録も豪ドルは上昇できず
・中国は5年物LPRの最大利下げを発表
米ドルの行方は明日のFOMC前回会合議事録次第か
昨日の米ドルは、米市場が祝日で休場の中、他の主要通貨に対して強弱まちまちで取引されました。米ドルは、ポンドとスイスフラン、そしてカナダドルに対して上昇しましたが、特にNZドルに対して下落しました。
先週の米消費者物価指数と生産者物価指数により、1月のインフレが予想よりも粘着性があることが証明され、市場はFRBの予想金利経路を上昇修正し、年内での合計利下げ幅は0.90%と予想されています。
この市場による予想合計利下げ幅は、FRBの最新予測をわずか0.15%上回る水準となり、今年の初めに、合計利下げ幅が1.60%、3月での初めの0.25%利下げが確信されていたことを考慮すると、顕著な再価格設定といえます。現在、FRBによる最初の利下げは6月と予想されています。
市場は依然として、FRBよりも多くの利下げを予想しており、今後の経済データが、引き続き米経済が主要他国よりも好調で、インフレが予想ほど急速に減速していないことが証明される場合、米ドルは上昇する余地があるでしょう。
しかしながら、今週は重要な米経済データの発表がないため、投資家は水曜日のFOMC前回会合の議事録を精査することになるでしょう。前回の会合では、FRBメンバーが追加利上げの可能性についてのこれまでの言及を取り下げ、差し迫った利下げを押し戻す発言をしました。
市場は既に1月の雇用統計やインフレ率など、より最新の情報が念頭にあることから、この議事録は多少古い情報となります。しかし今週は、重要な経済データが不足していることから、この議事録によって、金利が「より高く、より長く」維持されるとの見解が裏付けされる場合は、米ドル上昇が再開する可能性があります。
NZドル続伸、豪中銀による議事録も豪ドルは上昇できず
昨日のニュージーランドのサービス業PMI指数が予想外に上昇して、50を上回って拡大を示したことから、ニュージーランド準備銀行による利上げはまだ終了していないとの憶測が広がり、NZドルは最も上昇した通貨となりました。
オーストラリア・ニュージーランド銀行によると、ニュージーランド準備銀行がさらに0.50%の利上げを行う可能性があり、市場も来週の政策会合にて、0.25%の利上げの確率を25%とし、5月の利上げについては50%以上に上方修正しました。この市場観測から恩恵を受けて、NZドルは引き続き上昇していますが、利上げが発表されない場合は、急落するリスクも増大しています。
一方オーストラリアでは、オーストラリア準備銀行による前回会合の議事録が公開され、利上げについて検討されたものの、今後の経済見通しに対するバランスの取れたリスクを考慮して、据え置きとしたことが明らかになりました。しかし、市場は先週の期待外れとなった雇用統計から、利上げが行われることに懐疑的であったため、豪ドル上昇とはなりませんでした。
本日は、カナダの1月のCPI指数が予定されており、市場はカナダ銀行による利下げがいつ開始されるかを見極めることになるでしょう。現在、最初の0.25%の利下げは7月と予想されており、6月での確率も60%以上と見られています。
中国は住宅ローン金利を過去最大規模で引き下げ
中国人民銀行は本日、深刻な問題を抱える中国の不動産セクター救済のため、5年物のローンプライムレートを0.25%引き下げると発表したことから、コモディティ連動通貨とっては懸念材料となりました。
中国株式市場にとっても、上海総合指数が0.42%の上昇に留まり、前向きムードにはなりませんでした。本日の利下げによって、中国政府が真剣に行動を起こすことが示唆されているにもかかわず、おそらく市場としては、中国市場が前進していると確信する前に、さらなる財政刺激策を待っていると思われます。
本日の米株式市場は連休明けとなり、明日のFOMC会合議事録とエヌビディアによる決算報告前に準備態勢となるでしょう。