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・ECBはユーロ圏のインフレ率低下予想でユーロ下落
・好調な米GDPから米ドル小幅上昇、東京のインフレ低下で円に圧力
・株式市場は史上最高値更新も軟調な決算報告から先物は下落示唆
ECBは政策会合にて利下げ観測を押し戻しできず
ECBは昨日、政策会合にて金利の据え置きを決定し、今後の金融政策についてのシグナルを示唆しませんでした。ラガルド総裁は、利下げを検討するのはまだ時期尚早であることを強調しましたが、経済成長の停滞とコアインフレの急低下についても言及したため、市場は利下げについての発言を額面通りに受け取りませんでした。
さらに重要なことは、ラガルド総裁はECBが4月にも利下げを開始するとの市場の期待をあからさまに押し戻さなかったことです。これにより、市場は利下げへの期待は高まり、4月での利下げの確率は90%以上引き上げられ、その結果ユーロは下落しました。
ユーロ圏での軟調な経済データにより、ECBは4月に利下げせざるを得なくなると市場は基本的に見ているようです。また、今後の経済データでユーロ圏のインフレ圧力が抑制されたことが確認される場合、ECBメンバーがこれまで姿勢を転換し、まもなく利下げを示唆し始めるだろうとの報道によって、この見解は裏付けされました。
ユーロの見通しは、あまり楽観できるものではないようです。ユーロ圏の経済は、テクニカルリセッションの瀬戸際で不安定な状態が続いており、経済成長の手掛かりとなるような材料は見当たりません。経済成長の見通しの悪化は、特に堅調な米経済から恩恵を受ける米ドルに対してユーロを窮地に追い込む可能性があります。
米GDPは予想上回る、東京のインフレ低下で円に圧力
米国では、第4四半期のGDPがエコノミストらの予想を上回って年率3.3%上昇し、米経済の堅調な年であったことが確認されました。純貿易とともに、健全な消費と多額の政府支出が経済成長の主な要因となりました。
米GDPは予想を上回ったものの、米ドルはそれほど上昇しなかった背景には、おそらくこのレポートのインフレ指標が下振れとなったためでしょう。インフレが減速する中、市場はFRBによる夏までの緩和サイクル開始の見解を維持しました。
一方日本では、本日の東京での消費者物価指数が低下したことから日本円は圧力を受けています。1月の東京でのインフレ率は先月の2.4%から1.6%まで低下し、日銀が4月に利上げを開始するとの憶測に打撃となりました。
インフレの急低下により、春闘で賃金上昇が決定したとしても、日銀はマイナス金利からの脱却を行うタイミングを逃したのかどうかの疑問が残ります。
米株式市場は過去最高値更新した後後退
昨日の米株式市場は、米インフレが減速する中、米GDPの上昇によって、経済成長が依然として堅調であることが確認され、米経済のソフトランディングへの期待が正当化されたことから、市場の自信となり、過去最高値を更新しました。
テスラ株が12%も下落したにもかかわらず、S&P500は0.5%上昇し、10月からの驚くべきラリーを拡大して過去最高値で取引を終えました。そうはいっても、ビザとインテルの決算報告が精彩を欠いたことから、本日の先物は若干下落して取引が始まることを示唆しています。
来週の決算報告は、アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、そしてメタといった大手ハイテク社が軒並みをそろえており、米経済の堅調さとAI関連株の急騰が企業利益に還元されているかが明らかになるでしょう。来週はまた、FOMC会合と米雇用統計の発表もあります。
本日は、米コアPCE指数の発表がありますが、GDPレポートがすでに12月のPCEインレーションデータの予測となっていることから、それほど注目されない可能性があります。