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・アップルと半導体関連株がナスダック100上昇を牽引で最高値に近づく
・米利下げ観測後退で長期金利上昇、ハイテク株以外の株式は限定的
・米ドル堅調、軟調な英小売売上高でポンド下落、日本政府により口頭介入で円は下支え
AI関連株への楽観ムードからハイテクラリー
AI関連の需要回復への楽観的な見通しとテクノロジーセクター全体が株式市場を押し上げたことから、昨日はAI関連の株のラリーが復活しました。アップルとTSMCが特に昨日のラリーを牽引し、米株式市場の2日連続の下落に終止符を打ち、来週の大手ハイテク社による決算報告を前にセンチメントも向上しました。
アップル株はバンク・オブ・アメリカによる格上げを受けて、昨年5月以来の1日辺り最大の上昇率となる3.3%の上昇を記録しました。一方、台湾半導体大手のTSMCは、第4四半期での業績が予想を上回り、今年も好調な収益が見込まれることから、ニューヨークと台湾の両方で株価が急騰しました。
エヌビディアとメタもAIを巡る楽観姿勢から恩恵を受けて上昇し、ナスダック100指数は1.5%上昇と新たな高値近くで取引を終えました。ナスダック総合指数は史上最高値からはまだほど遠いですが、S&P500は0.9%上昇して、新高値まであと一歩のところの水準となっています。
本日のヨーロッパとアジアの株式市場も米国に追随して上昇しています。ただ、中国の不動産業と金融セクターの取締りに対する懸念が続く中、香港と中国の株式指数はこの上昇トレンドに逆行しました。
米利下げ観測後退に逆らって株式市場は上昇か
金利の見通しへについて、米国と他国によるハト派への転換が後退し始めたにもかかわらず、世界の株式市場によるラリーが起こりました。大きな視点から見ると、今後の見通しへの不透明さから、多くの中央銀行が予想金利経路について明確にできないため、ほとんどの株式指数は依然としてレンジ取引となっています。
そうはいっても、このラリーによって、ハイテク株とAI関連株は、市場を取り巻くリスク要因から切り離ることができることが証明され、FRBによる利下げ幅が縮小されることになっても、その防御的な性質が試されることになるでしょう。
市場は現在50%の確率でFRBによる3月の最初の利下げを織り込んでいます。先週は75%の確率でしたが、先週の米失業保険申請件数が1年以上ぶりの低水準となり、米労働市場が依然として逼迫していることが示唆されています。FRBメンバーはまた、ハト派への早急な転換について疑問を投げかけており、アトランタ連銀ボスティック総裁も昨日、差し迫った利下げについて警告を発しました。
米ドルは1か月ぶりの高値を維持、ユーロはサポート見つけ安定もポンド下落
最初の利下げがいつになるかの市場のタイムラインについて、FRBとECBはともに押し戻す発言を繰り返す中、今週の米国と欧州の債利回りは上昇し始めました。米10年債利回りは現在約1か月ぶりの高い水準辺りで取引されており、米ドルを押し上げています。
ユーロは、今週初めの下落の後、1.0880ドル辺りで安定を維持しており、豪ドルも何とか回復基調となりました。しかし、今週の英CPI指数が予想以上に加速したため上昇したポンドは、本日の12月英小売売上高が予想以上に大幅に低調であったことから圧力を受けています。英小売売上高の軟調さは、第4四半期の英GDPが縮小することを示唆し、テクニカルリセッションに陥る可能性があります。
鈴木財務相による口頭介入で円安は一服
市場は本日発表された日本のCPI指数について精査しています。12月の国内消費者物価指数は前年比2.3%上昇し、11月の2.5%から緩和しました。この数値はほぼ予想通りですが、このデータ発表後、市場は日銀が利上げに急ぐ必要がないと確信したことから、円安が進行しました。そのため、鈴木財務相は円の急な動きへに対して口頭で介入し、円の下落は反転しました。
米ドルは147円90銭を下回って取引されており、国内CPI指数発表後に更新した148円80銭から下落しています。