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・明日の米CPI指数を前に米ドルは回復
・SECへの不正アクセスによる偽投稿でビットコインは変動
・ダウ・ジョーンズとS&P500は下落もナスダックは小幅上昇
・米原油在庫量減少で原油価格は回復
米ドルは回復も3月でのFRBによる最初の利下げ確率は依然として高く
昨日の米ドルは、主要通貨に対して回復を再開しましたが、本日は横ばいで取引されています。
今回の米ドル回復は、市場による米利下げ観測の後退によるものではありませんでした。反対に、今年予想される合計利下げ幅は、昨日の1.35%から1.40%に拡大し、3月での最初の利下げの確率は、60%から70%に引き上げられました。
米ドルがこの上昇を維持できるかどうかは、明日の12月の米CPI指数の結果次第となる可能性があります。コアCPI指数はいくらか減速するものの、総合CPI指数は加速すると予想されています。予想通り、総合CPI指数の加速し、コアCPI指数も依然としてFRBの目標の2倍ほどで推移する場合、最終的には市場は3月での利下げの確率を引き下げるかもしれません。それにより、米長期金利は上昇し、米ドルも上昇を拡大する可能性があります。
しかしながら、他の中央銀行による利下げ幅がFRBほど大幅ではないと見られていることから、米ドルの強気反転とするのはまだ時期尚早でしょう。その例として、本日のオーストラリアでの11月のCPI指数が前年比で減速したことを受けて、オーストラリア準備銀行による今年の利下げ幅は、今年合計で0.45%ほどと見込まれています。
ビットコインはSECへの不正アクセスからの偽投稿で変動
昨日のビットコイン相場は、米証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物投資型の上場投資信託(ETF)を初めて承認したとのソーシャルメディア上での虚偽の投稿を受けて、かなり変動しました。
SECがビットコインの現物に連動するETFを承認したという偽ツイートでビットコインは急騰しましたが、その直後、規制当局は何者かによってSECのXのアカウントが一時的にアクセスされ、虚偽のメッセージを流したと発表しました。これで、ビットコインは早急に利益を還元し、さらに損失となりました。
SECは、ETFはまだ承認されていないと言及し、その決定は本日に予定されています。ビットコインの価格は、この待望の承認への期待からすでに急騰しており、本日の発表次第、事実で売るとの反応となる可能性があります。しかし、仮想通貨が虚偽のニュースですでに購入され、その後一時的に45,000ドルを下回って取引されたことを踏まえると、公式の決定の際にさらなる利益が発生することも否定できません。
米株式市場は明日の米CPI指数に注目、原油価格は回復
昨日の米株式市場では、ダウ・ジョーンズとS&P500がいくらか下落したものの、ナスダックは小幅上昇し、依然としてハイテク株を巡るフィーバーは存続していることを示唆しました。今週の月曜日には、エヌビディアが最新のAI関連半導体を発表したことから、エヌビディアの株価は史上最高値まで上昇し、3指数全てがラリーとなりました。
これにより、米株式市場3指数全てのラリーは、今後のAI関連の成長機会を全て織り込んでいるわけではないことが示唆されますが、明日の米CPI指数によって、インフレが減速せずに加速する場合、株式市場の新たな史上最高値への更新が遅れることになるかもしれません。これは、高い金利が予想以上に長続きするとの憶測が、今後四半期および数年間のキャッシュフローを割り引いて評価される企業の現在価値の打撃となる可能性があるからです。
キャッシュフローに関しては、金曜日に今四半期の企業決算シーズンが始まります。そのため、市場によるFRBの予測金利経路とは別に、企業の今後の成長予測がバリュエーションにも影響されることになります。
エネルギー市場では、米原油在庫が予想以上に減少したことと、シャララ油田での抗議活動によるリビアでの原油供給不足の報道を受けて、原油価格が回復しています。紅海の船舶への新たな攻撃も原油価格のサポートとなった可能性があります。
そうはいっても、これらの情勢が原油価格をサポートし続けるかどうかには疑問が残ります。米国は記録的な水準で原油を生産しており、サウジアラビアが原油生産競合国との競争と過剰供給への懸念から値下げを行っており、原油価格のこれ以上の上昇は限定的で短命に終わる可能性があります。