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・ダウ・ジョーンズとナスダック100は史上最高値を更新
・英インフレ減速でポンド下落、円は安定
・原油供給への懸念で原油価格上昇、ゴールドも上昇
米株式市場はパーティームード
今年は株式市場にとって素晴らしい年となっています。FRBは来年の大幅利下げを期待する市場に警笛を鳴らしているにもかかわらず、昨日、ダウ・ジョーンズとナスダック100は共に、史上最高値と更新しました。
景気後退への懸念が解消され、米経済のソフトランディングへの期待が高まる中、投資家はリスク資産への投資を猛烈な勢いで増大させています。また、FRBが緩和政策を開始するとの憶測も、このラリーの原動力となっており、市場は来年FRBによる6回の利下げを織り込みました。
問題点としては、アナリストらが来年の企業収益成長率を11%と予測する中、米株価のバリュエーションが歴史的に割高であるため、世界的なマクロ経済の減速に向けて、楽観的すぎるように見えることです。米大統領選を巡る不確実性も、来年の史上にとっては逆風となり得ます。
株式市場は、来年の見通しについて、景気後退のない、FRBによる一連の利下げの実施と企業収益の大幅な増大といったプラス材料を見込んでいることになります。現実として、この来年への期待がかなわない場合、市場の失望の余地となります。そのため、リスク/リターンの概要としては、あまり魅力的とはいえないでしょう。この資産クラスは、既に完璧を期して価格設定されています。
ポンド下落、日本円は下落後安定
為替市場では、本日の英CPI指数が予想を大幅に下回ったことから、ポンドが下落しています。イギリスのインフレは、ようやく勢いを失いつつあることが示唆され、イングランド銀行も来年、失速する経済を支えるべく、世界的な利下げサイクルの開始に参加できるようになります。
そうはいっても、イギリスでの賃金の伸びは依然として非常に高い水準にとどまっており、市場としては、イングランド銀行が利下げを実施する最後の中央銀行と見ているようです。この見解は、来年のポンドにとっては好材料となりますが、来年の選挙で労働党が勝利した場合、市場は最終的に企業も含めた増税へのリスクに注目する可能性があるため、一概に順風満帆とはいかないようです。
FRBメンバーが市場の大幅な利下げ観測をやや押し戻し、アトランタ連銀が今四半期のGDPNowを上方修正したことにも市場は耳を傾けず、昨日の米ドルはやや下落しました。したがって、市場は現在、経済の今後ではなく、年末の資金流入に焦点を置いているようです。
一方、日銀が昨日の政策会合にて、引き締め政策への期待を一蹴し、日本円は下落した後、なんとか安定したようです。
原油供給への懸念で原油価格上昇、ゴールドも上昇基調
コモディティ市場では、紅海での商船に対するミサイル攻撃が、原油の世界貿易ルートを脅かし、原油価格の上昇となっているようです。しかし、来年の需要鈍化と米国の原油生産量の記録的な高水準とともに、紅海での懸念が原油価格を長く下支えすることができるかは疑問です。
最後に、ゴールドは昨日、米ドル下落と米長期金利の継続的な後退から恩恵を受けて上昇しました。投資家が今後の金融緩和政策に向かって、実物資産を好んでいるようで、ゴールドは、12%近くの上昇と過去最高値に近い値で今年を締めくくる勢いです。