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・本日は米CPI指数発表に注目
・総合CPI指数は減速予想もコア指数は横ばいか
・日銀関連の報道で円高、本日は回復基調
・米株式市場は年初来高値まで上昇
米CPI指数とFOMC決定を前に米ドル後退
米ドルは昨日、日本円を除いた他の主要通貨に対して下落、または横ばいで取引され、本日も下落しています。日本円は昨日、続落しましたが、本日は昨日の損失の大部分を回復して上昇しています。
明日のFOMCによる政策金利発表を控え、本日の米CPI指数を市場は注視することになるでしょう。予想では、総合CPI指数は前年比で3.2%から3.1%への減速、そしてコア指数は前年比4.0%で横ばいと見られています。
金曜日の堅調な米雇用統計から、市場は利下げ観測を後退させました。来年の第1四半期での最初の0.25%の利下げは、現在50%と織り込まれていますが、5月での利下げはほぼ確実視されています。一般的には、インフレの減速によって、市場は利下げ観測を前倒しするものですが、コア指数がまだFRBの目標から2倍ほどの水準で推移しており、またFOMCの決定を明日に控えていることから、市場は大幅な変更は避けるでしょう。
市場はおそらく、FRBによる来年の新たな金利経路予測とパウエル議長の記者会見での発言に注目することになるでしょう。パウエル議長は、プラックアウト期間に入る直前に、追加利上げの可能性を否定せず、利下げについて言及しませんでした。しかし、パウエル議長はインフレの動向を注視しており、ミシガン大学による1年先インフレ期待の低下とニューヨーク連銀による米経済のさらなる軟化の示唆からも、議長がハト派に傾くのかどうかにも注目されます。
日銀関連の報道に日本円は敏感に反応
昨日金曜日のロイターの報道で、日銀植田総裁によるマイナス金利解除後の選択肢の言及は、超緩和政策からの脱却を示唆したものではないことが明らかになり、昨日の新たな報道で、円安は進行しました。ブルームバーグは昨日、日銀はマイナス金利解除について、今月急ぐ必要はないとの関係者の声を掲載しました。
関係者によると、日銀は、賃金の堅調な伸びが確認されるデータを待つコストはそれほど高くないと見ているようです。したがって、日銀の次回会合において、差し迫った政策転換を示唆するとは考えられにくく、前回会合と同様なスタンスを繰り返すにすぎない可能性があります。
そうはいっても、日本円は本日、他の主要通貨に対して最も上昇しており、明日のFOMC発表後、ドル/円が最も変動しやすいペアとなるかもしれません。
米株式市場は続伸、ドル安もゴールドは下落
米株式市場は昨日上昇し、主要3指数全てが年初来高値で取引を終えました。金曜日の堅調な米雇用統計から、市場の利下げ観測は後退しましたが、米経済のソフトランディングへの期待が再度高まったため、米株式市場は引き続き上昇基調となる可能性があります。インフレの減速と利下げへの期待、そして景気後退への懸念の低下によって、株式市場には前向きな材用が整っているように見えます。
一方、経済の主要イベントが続く今週、米ドル上昇は一服したにもかかわらず、ゴールドは昨日1%以上下落しました。おそらく、ゴールドは新たな高値を更新した以前のラリーの調整であるのかもしれません。しかし、来年の米利下げ観測から、現在の下落は、リスク・リターンの見通しが良くなるにつれ、ゴールドをお得な価格で購入する機会となる可能性があることから、これがゴールドの弱気転換というには時期尚早といえるでしょう。