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ユーロ圏CPI指数減速でユーロ下落、米ドルも利下げ観測の高まりから後退
ユーロは昨日、ユーロ圏のCPI指数が予想を下回ったことから、米ドルに対して3日半ぶりの高値から下落しました。ユーロのインフレは、11月の速報値によると、前年比で2.4%まで減速し、2021年7月以来の低数値となっています。
変動しやすい品目を除いたコアCPI指数は3.6%と緩やかに減速しましたが、2022年6月以来の4%を下回りました。
このCPI指数によって、ECBによる利下げ観測が早まり、市場価格によると、FRBよりも早く利下げを開始すると見られています。
市場は現在、ECBによる最初の0.25%利下げを来年の4月に完全に織り込み、FRBによる利下げは5月に予想されています。
ユーロ圏ののコアCPI指数が目標である2%に近づくまでは、ECBがハト派に転換するとは考えにくいですが、ユーロ圏の経済環境の悪化は、エネルギー価格の低下とともに、米国よりも欧州での緩和政策が強くも解けられていると言えます。
たとえ、FRBがECBと同時期に利下げを開始するとしても、米労働市場は欧州よりも逼迫しており、米国の積極的な緩和政策の見通しは低いかもしれません。ECBに関しては同じような見通しではないため、米ドルに対してのここ最近のユーロ上昇の継続には疑問が残ります。
ユーロは昨日1.10ドルを突破する近辺まで上昇しましたが、その後1.0920まで後退しています。
米ドルは3か月半ぶりの安値からの回復幅拡大
8月中旬以来の最安値を更新した米ドルは、対主要通貨で続伸し、二日連続での回復となりました。米利下げ観測が継続し、米国債利回りが一段と低下して昨日に最低水準を更新したにもかかわらず、米ドルは反転しました。
想定外の米ドルの反転には、他の主要通貨の動きが影響しているようです。ECBが利上げに踏み切る最初の中央銀行の一つとなる見通しでユーロの上値が重くなり、日銀のマイナス金利終了間近観測で最近の円は上昇しています。
米第3四半期GDPの前年比5.2%増への上方修正は、米経済の底堅さを浮き彫りにし、米ドル上昇の追い風となりました。
コアPCEデフレーターとパウエル議長の発言に注目
今回の米ドルの動きは、先月の米ドルの急落後のテクニカル上の修正に過ぎない可能性があります。本日の米経済指標結果が景気減速やインフレ鈍化見通しを示した場合、下落トレンド再開の余地があります。
GMT13:30に発表されるコアPCEデフレーターは、市場の関心を集めるでしょう。同時刻には、米10月個人消費支出も発表されます。
明日には、FRBのパウエル議長の発言も予定されています。パウエル議長の見解が、利下げ終了を示唆したウォラー理事寄りになるか、追加利下げの余地を支持しているリッチモンド連銀のバーキン総裁寄りとなるかに市場は注目します。
株価上昇と国債利回り低下を背景に、金融政策の緩和が進む中、市場の関心はパウエル議長が利下げに言及するかに向けられるでしょう。
株高継続、OPECプラスの決定控え原油価格上昇
昨日の大手ハイテク銘柄を中心とした下落にもかかわらず、米株価は底堅く推移しています。
昨日のS&P 500の終値は若干下落したものの、本日の先物指数は上昇し、今月を約9%の上昇で終える見通しです。
中国PMI指数の脆弱な結果にもかかわらず、アジア市場でも株高の流れが継続しています。
コモディティ市場では、OPECプラスによる減産継続見通しにより、原油価格は三日連続での続伸となりました。
減産幅での同意に至らない中、十分な減産が決定されるかは不透明です。本日、OPECプラスが合意しない場合、参加国内の相違の大きさが浮き彫りになるでしょう。
現在の所、何らかの同意見通しが原油先物価格を3週間ぶり高値に押し上げています。