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・米PMIで米経済は堅調に第4半期への突入示唆
・米経済とユーロ圏経済の見通しの乖離がユーロ/ドルにも重荷
・豪ドルは豪インフレ加速で上昇、日本円は150円近くで横ばい
・米株式市場は企業の決算報告に焦点
ユーロ/ドルは好調な米PMI指数から主要なレジスタンスゾーン近くまで下落
米10年債利回りは依然として心理的ゾーンである5%を下回って安定していますが、米PMI(購買担当者景気指数)速報値が昨日、第4四半期の最初の月である10月に予想よりも好調であることが示唆されたため、米ドルは他の主要通貨に対して回復しました。米PMI速報値は、製造業購買管理者指数が4月以来初めて縮小領域を免れ、総合PMI指数も50.2から51.0まで上昇しました。
ユーロ圏のPMI指数も昨日発表されましたが、9月よりも深刻な状況が浮き彫りとなり、米経済と対照的な結果となりました。この乖離により、ユーロ/ドルは、50日移動平均線と主要なレジスタンスゾーンである1.0665の岐路付近まで下落しています。このことから、ここ最近の回復は、ユーロ/ドルの広範な下降トレンド内での単なる調整であった可能性が示唆されました。
明日の米GDP成長率に注目
ユーロ/ドルの下落は拡大する可能性があり、明日発表される第3四半期の米GDP成長率が大幅な堅調さを示唆する場合、今月の最安値まで下落するかもしれません。米GDPは、年率4.2%の堅調な成長が見込まれており、アトランタ連銀によるGDPNowよると、同時期に5.4%成長したと予測されていることから、上振れリスクとなっています。
好調なPMI数値発表後も、米国債利回りは米ドル回復を反映しなかったことから、市場はFRBによる追加利上げ観測に消極的であるのかもしれません。実際、FF先物によると、1月までに最後の0.25%利上げが行われる確率は現在40%ほどとなっていますが、来年の利下げ幅は依然として約0.8%が織り込まれています。そうは言っても、今後の米経済データが引き続き米経済の回復力を示唆する場合、予想金利経路は上方修正され、利下げ幅も縮小される可能性があります。
豪ドルはCPI後続伸、円相場は150円に辺りで横ばい
豪ドルは昨日、最も上昇した通貨の一つとなり、本日も、第3四半期にオーストラリアでのインフレの減速が予想を下回り、9月の前年比インフレが5.2%から5.6%に加速が示唆されたことから、さらに上昇しています。この豪CPI指数で、市場によるオーストラリア準備銀行の追加利上げ観測は高まり、11月会合での0.25%の利上げは約42%まで上昇しました。
日本円も昨日、回復を試みましたが、米ドルの反発も、日本政府が介入されるとの警戒感が強まる150円近くで制限されているようです。為替介入が即時に行われるのか、または介入の水準を高く再設定しているのか判断するには、明日の米GDPが好調な場合に、心理的なゾーンである150円台を突破した際に明らかになるでしょう。
好調な決算報告から米株式市場は上昇
ベライゾンとコカ・コーラなどの企業が、堅調な米経済を反映して、今後の明るい見通しを発表したことで、楽観的なムードとなり、市場のリスク選好を後押しし、米株式市場は昨日上昇して取引を終えました。昨日の米PMI指数後もFRBの予測金利経路が修正されなかったことも、米株式市場には好材料となり、中東紛争への懸念から徐々に焦点が移りつつあることを示唆しています。
昨日の閉場後、マイクロソフトとアルファベットはともに、予想以上に好調な決算結果を報告しました。ただ両社については、マイクロソフトのクラウドサービスであるアジュールが、第3四半期に増益したの対して、アルファベットのクラウドサービスは、少なくても11四半期中、収益が最も低速な成長となりました。本日の閉場後はメタによる決算報告が予定されています。
市場が中東情勢から焦点を移している他の兆候としては、原油価格が昨日3日連続で下落したことが挙げられます。これは、ユーロ圏とイギリスの軟調な企業調査結果によって、原油の需要の見通しが圧迫されたためと見られます。