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・原油価格と債券利回りの上昇で米金利の「より高く、より長く」に現実味
・米長期金利の上昇と軟調な決算報告から株価下落
・原油価格とゴールドは高値から緩和も中東情勢の緊張からさらに上昇か
原油価格急騰、中東での紛争から市場は不安定
株式市場は、中東での緊張を背景とした原油価格の急騰から、昨日広範囲での損失となり、本日も赤字で取引されています。また、この原油価格の急騰は、債券利回りをより押し上げることになっています。
バイデン大統領は昨日イスラエルに緊急に到着しましたが、ガザ地区での病院の爆撃によって、アラブ諸国は予定されていたバイデン大統領との首脳会談を中止するなど、この訪問にも影を落としています。今週の紛争激化から、中東での停戦への見込みはさらに低くなっていますが、バイデン大統領がガザ地区への救助を強化することと、イスラエルに地上侵攻に備えて、慎重に進めるように助言していることは、いくらかの安心材料となりました。
中東での紛争激化へのリスクは続いており、原油の豊富なイランなど他国を巻き込む可能性があることから、原油先物は一時3%以上も上昇しました。米国の週次原油在庫が予想を大幅に下回ったことも、原油価格を押し上げています。
その後、WTI原油とブレント原油ともに、その利益は一部取り消されましたが、約1.8%高で取引を終えました。一方ゴールドは安定な上昇基調です。ゴールドは、10月7日にイスラエルでの紛争が勃発して以来6%以上上昇しており、本日は1オンス1,950ドル近くまで上昇しています。
米10年債利回りは5.0%に近づく中、本日FRB議長による講演に注目
安全な避難所への需要から、債券利回りの上昇は抑制できませんでしたが、米20年債入札後に買い戻しが優勢となりました。原油価格の急騰だけでなく、堅調な米経済データへの懸念も、米国債利回り急上昇の原因となっています。
米10年債利回りは本日、16年ぶりの高値である4.97%を更新し、米30年債利回りは、2週間ぶり2度目となる5.0%を突破しました。
FRBメンバーは、ここ最近、この利回りの上昇を発端とする金融状況がすでに引き締めの一役を担っているとし、追加利上げの必要性に疑問を投げかけています。しかし、一連の好調な米非農業部門雇用者数とCPI指数、そして小売売上高から、市場は0.25%の最後の利上げへの確率を引き上げ始めています。
FRBウォラー理事は昨日ロンドンにて、次回11月の会合には、様子を十分に判断する姿勢を強調して金利据え置きを示唆しましたが、必要に応じて今後の追加利上げもあり得ると述べました。本日のFRBパウエル議長によるニューヨーク経済クラブでの講演も大いに注目されるでしょう。そして今週末、FRBメンバーはプラックアウト期間に入ります。
株式市場は逆風に直面
米株式市場は昨日、米長期金利の継続的な上昇から打撃を受け、3指数全て下落しました。FRBが今後利上げを行わないとしても、金利を「より高く、より長く」維持することに現実味を帯び始め、今週市場での今後の利下げ観測は大幅に後退しました。
決算期の皮切りとなった好調な大手銀行の決算報告で、今週株式市場は前向きなムードで開場しましたが、イスラエルとガザ地区との紛争で今後の見通しが不透明になる中、昨日借入コストの上昇がこの回復ムードに水を差し、株価は下落しました。
モーガンスタンレーは、第3四半期に9%の収益減を報告し嫌気され、株価は6.8%下落し、株式市場の足かせとなりました。テスラの決算報告も市場の予想を下回り、株価は昨日決算報告前から4.8%下落し、本日も続落となりそうです。
しかし、ネットフリックスは、予想を上回る収益と加入者数を報告したことから、時間外取引で株価が10%以上も急騰し、本日も上昇する可能性があります。
米ドルは安定も上昇基調とはならず
米ドルは本日概ね安定していますが、米国債利回りの急上昇と安全資産への逃避からの恩恵は受けていないようです。ドル指数は、10月3日のピークから下回っており、為替市場は債券市場とは違って、FRBのタカ派からの転換を反映しているようです。
昨日の予想を上回る英CPI指数でもイングランド銀行による利上げ観測に変化がなかったことから、ポンドは2週間ぶりの安値で取引されています。一方、オーストラリアでの9月の雇用者数増加が予想を下回ったことで、今後のオーストラリア準備銀行による利上げ観測がやや後退し、豪ドルは本日最も下落した通貨の一つとなっています。