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・ゴールドは多方面からの圧力でさらに下落
・日銀による買い入れオペで円安進行
・米ISM製造業指数とFRB議長発言を前に米ドルは安定
ゴールドはファンダメンタルとともに再調整
今年最後の四半期が始まり、世界市場には多くの懸念材料が浮上しています。債券の供給増加による米国債利回りの上昇と、中国経済への懸念再浮上、また円安進行が引き続き市場の不安材料となっています。
ゴールドは先週、悲観的なファンダメンタルとともに、著しく下落し、3月以来の低水準となりました。実質利回りの急上昇と米ドル高による下振れ圧力に対して、ゴールドはここ数か月、世界の中央銀行によるゴールド保有量の増加によって、その圧力に反発してきました。
しかし、中央銀行によるゴールド購入も一段落したようで、実質利回りが高騰する中、ゴールドは苦戦しています。ゴールドはその価値を一週間で4%も価値を下げ、チャート上では、次の主要ゾーンである1,810ドル辺りまで下落する可能性があります。
米議会が政府機関の一部閉鎖を最終局面で回避したとの政治的取引に、市場は安堵感を示しましたが、本日もゴールドは下落を続けました。米議会で可決されたこのつなぎ予算案は、45日間と期限限定のため、市場は11月に再度、政府機関の閉鎖を巡る同じドラマを見ることになるでしょう。
円は最安値更新、中国のPMIはまちまち
為替市場では、円安が止まりません。日銀が債券市場での金利上昇抑制のため、国債の買い入れオペを実施したことから、円は本日、米ドルに対して、1年ぶりの安値まで下落しました。四半期ごとに発表される日銀短観によると、企業の景況感が予想以上に回復していることが示唆されています。
日銀が国内利回りの上昇を抑制する一方で、米国債利回りは上昇し続けており、対円金利差はますます拡大しています。
ドル円は現在、昨年日本政府による為替介入を促した150円を若干下回って取引されていますが、実際の介入へのリスクは今回は低いと言えます。今年の場合、円安進行のスピードが緩やかで、政府による口頭での警告も慎重なトーンとなっています。そのため、政府による介入ラインは、おそらく昨年より高くなる可能性があります。
中国では、最新の経済データがまちまちの結果となりました。中国のPMI は、製造業が底を打ち始めたとの楽観的な見方を裏付けました。一方で、サービス業については、9月に勢いを失い、縮小は免れたものの全体としての見通しは依然として厳しいことを示しています。
米ドル安定、明日の豪中銀の政策決定に焦点
先週金曜日の米PCEインフレレポートは予想よりも減速し、FRBによる利上げ観測も後退しましたが、米ドルは先週、大幅に上昇して取引を終えました。
ユーロ/ドルは、11週連続で下落しており、欧米間の経済成長と金利の乖離が、ますます米ドルに有利となっています。米経済は、政府の巨額の赤字支出と、固定金利住宅ローンによる高金利の影響の遅れから保護されていますが、欧州では、変動金利とエネルギー価格の上昇からの影響が出ています。
企業調査によると、これらの経済動向はしばらく続く模様で、米政府による債券発行も、今四半期は高い圏に止まり、米国債利回りへの上昇圧力となる中、ファンダメンタルズは依然としてユーロ安をサポートしています。
本日は、FRBパウエル議長による発言が予定されており、また米ISM製造業景況感調査も焦点となるでしょう。しかしパウエル議長は本日、労働者と中小企業経営者との円卓会議に参加する予定のため、金利政策への発言は慎むかもしれません。それ以外では、市場は明日のオーストラリア準備銀行による金利政策決定にも注目することになるでしょう。