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ジャクソンホール会議を前に米ドルは小幅下落
米10年債利回りは続伸で2007年の水準へ
中国人民銀行は人民元中心レートを予想以上に高く設定
エヌビディアの決算報告への期待からナスダックとS&P500は上昇
ジャクソンホール会議を前に米ドルはやや下落も利回りは続伸
昨日米ドルは、他の主要通貨のほとんどに対して下落し、本日も後退しています。この米ドル下落の背景に明確な原因はなく、どうやら今週のジャクソンホール会議と、金曜日のFRBパウエル議長によるスピーチを前に、市場は慎重になっているようです。
しかし、米国債利回りは引き続き上昇しており、好調な米経済指標以外に、フィッチの格下げを受けて、米財務省は債券発行を増加すると決定したことから、供給面ではサポートを受けるでしょう。米10年債利回りは昨日2%以上上昇し、2007年以来の水準となりました。
前回のFRB政策会合において、パウエル議長は、FRBは経済データを注視しながら会合ごとに決定を下すと述べました。また、データによっては9月に利上げを行う可能性もあれば、金利を据え置く可能性もあるとも付け加えました。
それ以降、経済データは好調な米経済を示唆しており、議長は利上げを支持するか、または市場の予想よりも長期にわたって高い金利維持の必要性を強調するかもしれません。この場合、利回りは上昇を維持し、米ドルも上昇軌道に戻る可能性があります。
円安進行で日銀による介入は150円台か
昨日、日銀によるイールドカーブ・コントロールの上限緩和にも関わらず、国外の国債利回りの急騰よる金利差拡大の影響を受け、円安はさらに進行しました。
ドル/円は145円10銭あたりから反発したことで、市場は6月のように145円での為替介入を恐れてはいないことが示されました。しかし先週、日本の財務大臣が過度の通貨の動きに対して警告を発しており、円安が急に進行する場合、政府による介入もあり得るでしょう。JPモルガンのアナリストによると、150円辺りで介入が現実的になる可能性があります。
中国人民銀行は人民元強化へ
中国では、国内経済の健全性への懸念の高まりから、先週のオフショア取引で9か月半ぶりの安値まで下落した人民元をサポートするため、元中心レートをロイターの見積もりより1000ピップス以上高く元を設定しました。この決定に先立ち、国有銀行は、オフショア人民元の流動性を積極的に吸収して、人民元を売り持ちにするコストが上昇したと報道されています。
しかしながら、中国政府による刺激策不足への市場の不満足感から、豪ドルとNZドルには朗報とはなっていないようです。確かに、これらのリスク連動通貨は本日回復していますが、中国政府は市場の期待に応えておらず、パウエル議長が米ドル買いを促すようなスピーチを行う場合、豪ドルとNZドルはともに、米ドルに対して下落する可能性があるでしょう。
明日のエヌビディア決算報告への期待から米株式市場は回復
ナスダックとS&P500は昨日黒字で取引を終えました。ナスダックは、明日予定されているエヌビディアの決算報告に市場の楽観的な見方が反映し、株購入を促したことから、1.5%以上上昇しました。一方ダウ・ジョーンズは小幅に赤字で取引を終えました。
HSBCがエヌビディアの株式の価格目標を780ドルに引き上げたことから、株価が8.5%急騰し、テクノロジーセクターによる牽引からS&P500とナスダックともに大幅に上昇しました。市場は現在、エヌビディアによるアナリストの予測を上回る決算発表を期待しています。
しかし、エヌビディアは米株式市場でのここ最近の上昇ラリーを牽引している主力の一社であることから、明日の決算報告での誤算が大きな失望となり、大幅な株価下落ともなり得る可能性があるため、決算報告を取り巻くリスクは不釣り合いに大きいと言えるでしょう。