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米7月消費者物価指数発表控え、市場は様子見ムード
本日の世界市場は、米7月消費者物価指数の発表を息をのんで待っています。消費者物価指数発表は、今後の金利政策に大きな影響を与える為、注目度の高い経済指標です。本指標の結果次第で、FRBの利上げ終了見通しを一段と強固にするか、或いは利上げ終了見通しが後退することになり、米ドルとリスク資産の値動きに大きな影響を及ぼします。
米7月消費者物価指数は、前月比0.2%増が予想されています。前年比では、前回結果の3.0%増から3.3%増への上昇が予想されており、コア指数は4.8%増の横ばいとなる見通しです。
今回の消費者物価指数発表は、予想外に強い結果となる可能性があります。7月のガソリン、及びコモディティ価格は上昇しました。経済指標結果も物価上昇圧力の強まりを浮き彫りにし、米国内の殆どの地域において、賃貸価格高騰が継続し、住宅価格は最高値を更新しています。
クリーブランド連銀のCPIナウでは、7月の速報値、及びコア指数において、予想値の0.2%増を上回る0.4%増となったことも、消費者物価指数上昇のリスクを一段と押し上げました。更に、エネルギー価格高騰を背景に、CPIナウの初期予測では、8月の数値が0.8%増で推移していることも、懸念材料です。
消費者物価指数が強い結果となった場合、米ドルと国債利回りが上昇するでしょう。国債利回りが上昇すると、株式とゴールドの魅力が低下します。反対に、消費者物価指数が脆弱な結果となった場合、市場は真逆の反応を示し、米ドル下落、及び株価とゴールドの上昇が起きるでしょう。
円とゴールドは一段安
円は一段と下落し、対ユーロで2008年以来の最安値を更新しました。リスク回避の動きにもかかわらず、今週の円は下落基調となっています。
日国債利回りは他国の国債利回りよりも下落した為、利回りの乖離も円安の要因となりました。賃金上昇鈍化が明らかになった後、日銀の金融正常化への期待も後退しました。
円安の大きな問題はエネルギー価格の上昇です。日本は原油と天然ガスを輸入に完全に依存している為、エネルギー価格が上昇すると円が大きなダメージを受けます。更に、日本の賃金上昇鈍化は、日銀の金融正常化期待を後退させたようです。これにより、日国債利回りは低下し、他国との金利差乖離が円安を一段と進めました。
今週はゴールドも値下がりしました。米消費者物価指数の結果はゴールドの値動きにも影響し、米ドルと米国債利回りとは真逆の反応を示すでしょう。米消費者物価指数発表の強い結果はゴールドを押し下げ、1900ドル付近が視野に入るでしょう。反対に、米消費者物価指数が予想を下回る結果となった場合、1935ドルのレジスタンスラインに向かって上昇するでしょう。
原油価格は一段高、株価は引き続き荒い値動き
エネルギー価格が再び高騰しています。原油価格は7週連続での上昇となり、数か月ぶり高値を更新する見通しです。供給懸念が広がる中、昨日の天然ガス先物価格は28%値上がりしました。
中国経済失速により需要は鈍化見通しですが、サウジアラビアやロシアによる減産延長が原油価格を下支えしているようです。エネルギー価格上昇の継続は、エネルギー市場、及び物価上昇圧力の動き次第となります。更に、株式等のリスク資産の動きにも注視する必要があるでしょう。
昨日の米株式市場は下落しました。エヌビディアの株価が4.7%下落し、ハイテク銘柄の多い蓮ダック指数が最も下落しました。国債利回り上昇、及び米企業の低調な決算結果にもかかわらず、今年の株価上昇は際立っています。そのため、バリュエーションが高水準まで引き上げられています。楽観的見通しは十分に織り込まれている為、今後の株高維持には現状が期待に追いつく必要があります。