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安全資産需要の増加で米ドル高継続
中国の経済指標結果によるリスクオフの流れを背景に、昨日の米ドルは対主要通貨での上昇を継続しました。更に、格付け会社ムーディーズが米中堅地銀や中小行10行の信用格付けを引き下げ、主要銀行の格付けの引き下げの検討を明らかにしたこともリスクオフの流れを一段と強めました。
中国経済への懸念、及び米銀行の信用格付けの引き下げを受けて、リスク資産から米ドル等の安全資産に資金が流れました。
本日に発表された中国7月消費者物価指数は、2年以上ぶりの下落となりました。下落幅は市場予想を下回ったものの、市場のデフレ懸念を強めることになりました。
米国債利回りは予想外に低下した為、先週のフィッチによる格付けの引き下げにもかかわらず、米国債も安全資産として見なされている可能性があります。米10年債利回りが4%越えで推移していることも、米国債の人気に繋がったようです。したがって、米国債の発行急増による国債利回り低下は一時的な現象に過ぎないでしょう。
米消費者物価指数発表に注目
明日に発表される米7月消費者物価指数は、米ドルと国債利回りの一段の回復に繋がる可能性があります。米7月消費者物価指数は、前回結果の前年比3.0%増から3.3%増までの上昇が予想されています。しかしながら、コアの消費者物価指数は前年比4.8%増から4.7%増に低下する模様です。先週金曜日の米雇用統計で賃金上昇が浮き彫りとなったことに加えて、米7月ISMの経済指標結果、及び米7月PMI指数結果が共に消費者物価指数の上昇を示しています。
本日は、米ドル上昇の勢いに失速が見られます。ユーロ/ドルが9月26日の安値からの重要な上昇トレンドラインを試す展開が影響しているかもしれません。明日の米消費物価指数発表待ちの為、ユーロ/ドルは現在の水準で推移する公算が大きいでしょう。米消費者物価指数が強い結果となった場合、トレンドラインを上抜けて、次の重要ゾーンの1.0840ドルを試す展開となるでしょう。
米株式市場の終値下落、原油高継続
昨日の米株式市場は調整の動きが強まり、主要3株価指数は上昇して引けました。米消費者物価指数が強い結果は、米9月利上げ観測上昇、及び翌年の利下げ観測後退に繋がるでしょう。FF金利先物市場では、利上げ観測の終了見通し、翌年での1.4%の利下げ予測が示されています。
市場のリスクオフムードにもかかわらず、昨日の原油価格は回復しました。WTI原油先物指数が6月28日の安値からの上昇ラインを試す展開となり、主要なレジスタンスラインの83.30ドル付近まで上昇しています。中国経済への懸念にもかかわらず原油価格が上昇した要因は、米エネルギー情報局が発表した2023年の米GDPの上方修正でしょう。
現在の原油価格上昇は、主にサウジアラビアやロシア等の原油産出国による減産の1か月延長に支えられています。原油高の流れ継続と判断するには、WTI原油先物指数が2022年11月以来のバリアとなっている83.30ドルを上抜ける必要があるでしょう。