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米雇用統計発表を控え、株式市場のムード改善
主要な中央銀行が追加利上げに懐疑的な姿勢を見せる中、世界の株式市場は国債利回り上昇で売り圧力が強まったものの、本日には若干の楽観ムードが見られました。
拡大する財政赤字の穴埋めの為、米財務省が四半期定期入札規模の計1030億ドルへの増額を発表した後、米国債利回りが急騰しました。
米財務省の発表は、フィッチの格下げによる国債価格下落後でした。
今週、米10年債、及び30年債の利回りは約9か月ぶり高水準まで上昇しました。FRBが利上げ方針を年内は継続する可能性により、株価の上値が重くなりました。
大量供給は、利回りの一段の上昇だけでなく、市場からの流動性流出に繋がる可能性があり、今年に入っての株高の流れが終了する可能性があります。
国債利回り急騰一服
現在の所、国債の売り圧力が一服し、利回りは昨日の高水準付近で安定推移しています。昨日の米株式市場の終値は下落したものの、時間外に発表されたアマゾンの好調な決算結果により、米株価先物指数は上昇しています。
アマゾンの株価は8%上昇したものの、iPhoneの売上低下を発表したアップルの株価は1.5%以上値下がりしました。
中国政府が民間企業を支援する姿勢が好感され、アジアと欧州の株価は上昇しました。市場では中国政府による完全な景気刺激策への期待は薄れているものの、特定分野への景気刺激策が評価され、中国関連の資産に影響を及ぼしているようです。
豪ドルとポンドは下落後に回復
中国経済低迷に希望の光が見え始めたことにより、本日の豪ドルは回復しました。オーストラリア準備銀行の声明文において、2025年末までにインフレが2-3%の目標まで低下しない可能性が示されたことも、豪ドル上昇に繋がりました。成長予想は下方修正されたものの、追加利上げが実施されなくても、インフレがすぐに低下しない見通しが明らかとなりました。
下落したもう一つの通貨はポンドでした。昨日、イングランド銀行が0.25%の利上げ発表し、タカ派的姿勢を示さなかったことから、市場が落胆しました。
イングランド銀行のベイリー総裁が0.50%の利上げは考慮しなかったと発言した後、ポンドは急落しました。インフレは2025年までに2%付近までの下落が予想されているものの、経済成長予想の下方修正がポンド安の要因となっているようです。賃金上昇のリスクを背景に、イングランド銀行によるインフレ抑制に市場は懐疑的姿勢を見せています。
米ドル相場は米非農業部門雇用者の強い結果に期待
昨日に急騰した日10年債の利回りが0.65%付近で安定推移している為、本日の円は若干下落しました。米ドルは対主要通貨で横ばい推移となっています。
米経済の見通しに関しては、米7月PMIは強弱混合の結果となりました。2024年の利上げ観測、及び国債利回り上昇を考慮すると、米雇用統計発表を控えた米ドル相場のリスクは均衡を保っています。
米7月ADP全国雇用者数の結果から判断しますと、米非農業部門雇用者が予想を下回る可能性よりも、予想を上回る可能性が高いでしょう。
コモディティ市場に関しては、サウジアラビアが日量100万バレルの減産を9月も継続し、秋には一段の減産に踏み切る可能性を発表しました。この動きにより、原油先物価格は急騰しました。本日には、OPECプラスの会合が予定されています。