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リスクオフの流れで米ドル下落
本日の米ドルは、昨日から上昇の流れを継続しています。
予想外の米国債格下げ後のリスク回避の流れにより、昨日のお取引開始から緩やかに上昇を開始した米ドルは、米ADP全国雇用者の予想を上回る結果を受けて、一段と上昇しました。
株価と国債価格の下落も米ドルのリスク逃避先通貨としての性質を改めて裏付けました。国債利回りの上昇も顕著で、米10年債利回りは昨年11月上旬以来の高水準まで上昇しました。
市場にはパニックの兆候は見られず、米政府が債務不履行に陥る可能性は深刻に捉えられていないようです。
本日、米ドル相場の関心は米7月ISM非製造業PMIに向けられます。ソフトランディング見通しの追い風となる要因は、米ドル一段高に繋がるでしょう。金曜日の米雇用統計が強い結果とならない限り、市場が利上げ継続見通しに反応することはないでしょう。
ポンド回復の為に、英中銀がタカ派的見解を示すかに注目
米7月ISM非製造業PMIの発表前に、ポンド相場は英政策発表に直面します。英6月消費者物価指数の予想を上回る低下、及び英7月PMI指数の脆弱な結果を受けて、0.50%ではなく、0.25%の利上げが有力視されています。
英オーバーナイトインデックススワップによりますと、0.25%の利上げの可能性が63%、0.50%の利上げの可能性が37%と予想されています。0.25%の利上げが決定された場合、0.50%の利上げ支持派の落胆により、ポンドが一時的に下落する可能性があります。一方、0.50%の利上げが決定された場合、ポンドが急騰するでしょう。
しかしながら、現在のインフレはイングランド銀行の目標の3倍のレベルとなっている為、利上げサイクル終了間近と判断することは時期尚早かもしれません。イングランド銀行がタカ派的姿勢を維持し、追加利上げの必要性を強調した場合、ポンドが回復し、当面の間、ポンド高が継続する公算が大きいでしょう。
反対に、イングランド銀行が利上げ時期間近の見解を示した場合、ポンドは下落するでしょう。
日銀がイールドカーブコントロール修正の発表後、市場が日銀の上限を試す展開となり、昨日には、日10年債利回りが過去9年で最高水準を更新しました。3日連続で下落した円は、昨日には下落が一服し、横ばい推移となりました。本日の円は再び下落に転じています。
米株価下落、ゴールドも値下がり
米国債格下げを受けて、昨日の米株式市場は下落しました。ナスダック指数は2%以上値下がりしました。トレンド転換には繋がらなかったものの、今後の経済指標の結果、特に米雇用統計の結果で利上げ観測が上昇した場合、当面の間、調整の動きが継続するでしょう。
マクロ経済、及び金融政策見通しの変更に加えて、株式市場は本日の時間外に発表されるアマゾン、及びアップルの決算結果に注目するでしょう。
リスクオフの流れにもかかわらず、昨日のゴールドは下落しました。米国債利回りの上昇から、国債が米ドルに代わるリスク逃避先資産と見なされているようです。今週、米ドル高の流れが継続すると、ゴールドは7月7日の安値付近の1910ドル台を試す展開となるでしょう。