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PCEの低調な結果で米利上げ停止観測上昇
先週金曜日、FRBが重視する米6月PCEコア・デフレーターの予想を下回る結果を受けて、インフレが主要リスクではないとの見方が市場で強まり、米利上げサイクル終了見通しが広がりました。米6月PCEコア・デフレーターは前月の4.6%増加から4.1%に低下し、昨年12月以来の大幅な下落となりました。FRBの目標の2倍の水準となっているものの、市場が待っていた引き締め効果の経済指標への反映であり、今後数か月間のインフレは下落傾向になります。
市場の関心は、今週金曜日の米7月非農業部門雇用者数に向けられます。過去数週間、失業保険申請件数に予想を上回る改善が見られている為、労働市場が再度ヒートアップしている懸念も若干あります。
債券市場は、株式市場とは異なる反応を見せています。その他の経済指標が米経済の底堅さを浮き彫りにしている為、債券市場でのPCEコア・デフレーターの脆弱な結果への反応は限定的でした。一方の株式市場では、ソフトランディングの可能性が一段と上昇し、待ち望んだゴルディロックス相場になります。しかしながら、株式市場が状況を過小評価して、インフレを2%に戻すには、あと1回か2回の利上げが必要と判断する可能性もあります。
中国の追加景気対策で株価上昇
米株式市場では、米企業の決算発表に引き続き注目が集まります。メタとアルファベットの好調な決算結果に続き、今週にはアップルとアマゾンの決算が発表されます。
先週金曜日、ナスダック指数の終値は1.9%上昇し、S&P 500の終値は1.0%上昇しました。
中国政府が追加の景気対策の準備を進める中、本日のアジア株式市場は上昇しました。景気失速に直面する中、中国政府は消費者や不動産業界に加えて、中小企業の資金調達を支援する見通しです。
しかしながら、中国7月非製造業PMIの低下に市場が反応し、中国株式市場は前半の上昇幅の一部を消失しました。
米ドル上昇、ユーロとポンドは横ばい推移、豪ドル急騰
通貨市場では、円売り加速の影響を主に受けて、米ドルは上昇しました。先週木曜日、ラガルドECB総裁が9月での利上げ停止の可能性を示唆した為、ユーロは下落基調を継続しています。本日はポンドも下落しました。今週木曜日には、最近のポンドの下落を反転させる為、イングランド銀行がタカ派的見解を示すかに市場は注目するでしょう。
中国の追加景気対策の報道を受けて、豪ドル、NZドル、及びカナダドル等のコモディティ通貨は上昇しました。
現在までの所、豪ドルが本日最も上昇した通貨となります。しかしながら、明日のオーストラリア準備銀行の政策会合で政策金利の据え置きが発表された場合、下落リスクがあるでしょう。
日銀の市場介入で円は急落
本日、日銀が臨時の国債買い入れオペを通知し、円は下落しました。先週金曜日に日銀がイールドカーブコントロール修正で市場サプライズさせた後、日10年債利回りは9年ぶり最高水準まで急騰していました。
長期金利の上限は0.5%から1%に引き上げられているものの、日銀の臨時オペは急激な変動を回避し、0.5%付近で維持する為、市場を牽制する狙いがあったようです。日10年債利回りの0.6%越えは日銀の介入に繋がり、円安が一段と進みました。
ドル/円は3週間ぶり高値となる142円越えまで回復しました。