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・米ドルは続伸、米ドルの行方は来週のFRB会合決定次第
・ギリシャ中銀総裁もECBは来週の利上げで十分と発言
・ポンドと円は下落、豪ドルは堅調な豪雇用統計から本日上昇基調
・テスラとネットフリックスの決算報告は期待外れ
米ドルの行方はFRBの来週の決定次第
米ドルは昨日、他の主要通貨に対して続伸しました。おそらく6月の米消費者物価と生産者物価が先週予想以上に減速したことで、市場でのショートポジション清算となったためと思われます。
しかし昨日は、特に目立った経済データはなく、市場によるFRBの将来的な行動方針も変動はなかったため、今朝、米ドルの売りが再開しました。市場はFRBの今後の方針として、今年あと1回の利上げ、そして来年の一連の利下げを織り込んでいます。
米ドルの行方は現在、FRBの来週の会合決定に委ねられています。現在0.25%の利上げが完全に織り込まれていますが、米ドルの回復には、FRBがこの利上げは最後ではなく、また来年は利下げなしと市場に確信させることが必要となるでしょう。
ECBメンバーは9月の利上げに懐疑的
ユーロ/ドル相場は、来週のFRBの決定だけでなく、ECBの決定も評価しなければならず、さらに困難な課題を抱えていると言えます。ギリシャ中銀ストゥルナラス総裁もまた、ECBはあと1回の利上げで十分だとして、9月での利上げを反対する意を唱えました。
この意見は、トーンダウンしたオランダ中銀ノット総裁やドイツ中銀ナーゲル総裁に同意することになります。今のところ、市場のあと2回の利上げへの期待は変更ありませんが、金利は来年末までに、現在の水準よりは約0.2%ほど下回ると修正されました。
来週のECB会合後の記者会見で、ラガルド総裁がこれまでの姿勢を軟化させるのか、それともユーロ圏での景気減速を否定して、インフレ抑制を優勢してタカ派を維持するのかが焦点となるでしょう。
英インフレ減速でポンド下落、日銀植田総裁の発言で円安、豪ドルは上昇
昨日イギリスでのインフレ減速が確認されたことで、ポンドは下落しました。市場は、イングランド銀行の来週会合での利上げ率を70%の確率で0.25%とし、残りの30%は0.5%と見ているようです。このインフレデータで、イングランド銀行の今後の利上げ率も、合計で約1%から現在は0.85%になりました。
日銀植田総裁が、持続的かつ安定的な2%の物価目標までまだ道のりがあると述べたことから、日銀の来週での政策修正観測は後退しました。これにより、円は圧力を受け、円安基調となっています。来週の会合で日銀が現状維持と決定する場合、日本のインフレ予測が、その道のりの長さへの手掛かりの材料として注目となるでしょう。
本日オーストラリアでは、予想以上に堅調な6月の雇用統計が発表され、オーストラリア準備銀行による来月の会合での利上げ観測が高まりました。これにより、豪ドルは上昇していますが、市場は利上げについて、まだ意見が分かれているようです。
テスラとナスダックの収益報告でナスダックは下落で開場か
米株式市場は昨日、主要な指数全て黒字で取引を終えました。しかし、市場閉場後、テスラとナスダックの決算報告があり、両社ともに期待外れの結果であったため、ハイテク銘柄の多いナスダックは本日、下落して開場することが示唆されています。
ネットフリックスは、予想を上回る一株当たりの利益を報告しましたが、第2四半期の収益はアナリストの予想を下回りました。ネットフリックスのフリー・キャッシュフローは下半期に減少となりますが、来年回復すると見られています。一方テスラは、売上総利益が前年を大幅に下回り、キャッシュフローは、来年の第1四半期まで減少しますが、その後増えると予想されています。
今後ハイテク企業が同様な決算報告をする場合、株式市場の正常な調整となる可能性があります。しかし、市場は依然としてFRB利下げ観測を維持しているため、株式市場のトレンド反転とするには時期尚早といえます。