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・ユーロは17か月ぶりの高値更新もイタリア中銀総裁発言でラリーは一段落
・米国債利回り低下で下落した米ドルは米小売売上高の動向に注目
・中国政府による消費刺激案計画も株式市場は強弱混合、決算報告に焦点
ユーロは米ドルに対して急上昇
先週の軟調な米CPI指数の後、金融政策の乖離への憶測は後退する兆しはなく、米ドル軟化となっています。特に、ユーロがこの乖離から最も恩恵を受けており、本日17か月ぶりの高値である1.1275ドルを更新しました。市場はFRBによる来年の利下げ観測を高めていますが、ECBによる利下げは控えめとなると見ているようです。
ただし、FRBもECBともに、来週の政策会合での利上げは確実視されています。市場はFRBについては、来週が最後の利上げ、ECBについては、9月にも利上げを継続すると予想しています。さらに米インフレは、ヨーロッパのインフレに比べると急速に減速しており、来年の利下げ幅についても、FRBの方が大きくなると見られています。
しかし、米経済の方が勢いがあるため、早急な緩和政策が米インフレの再加速になり得るとのリスクを市場は軽視しているようです。反対に、ヨーロッパの経済は現在、成長を示せず、本格的な景気後退の可能性がますます高まっています。
この点から、来週の政策会合は、ECBがこれまでの姿勢を変更し、経済成長とインフレ引き下げの進展へのリスクを認識する場合、ユーロにとって重要となるでしょう。
イタリア中銀ビスコ総裁は本日、ECBが6月に予測したよりも速いスピードで、インフレが2%まで低下する可能性を示唆しました。この発言から、ユーロ上昇は一段落し、本日の利益のほとんどが帳消しとなりました。
円高進行も来週の政策会合に向けてリスクあり
来週の日銀政策会合にて、イールドカーブ・コントロール政策を微調整するのではとの憶測から、日本円もここのところ急上昇しています。先週の米インフレレポートで、世界中で利回りが低下したにも関わらず、この憶測から、日本の10年債利回りは上限である0.50%に近い0.48%辺りまで上昇しています。
日本円は、6月末に、一時1ドル145円辺りまで円安が進行して、政府による介入のリスクとなりました。しかし現在は、その安値から5%以上も上昇しています。
FRBが来週の会合にて、今後の利上げの可能性を示唆する一方で、日銀が現状維持を決定して、市場の落胆となる場合、一転して再び円安となるリスクがあります。
世界の中銀による来週の政策会合を前に、本日発表の米小売売上高を市場は手がかりとするでしょう。カナダのCPI指数も本日発表される予定です。カナダドルは、ヨーロッパ市場で若干軟化しており、豪ドルとNZドルも同様に下落基調です。
中国経済成長への懸念がコモディティ関連通貨の重荷に
昨日の中国による軟調なGDP発表後、リスクの高い通貨は下落し、現在回復を試みています。世界第2位の経済大国である中国は、経済成長の減速が示されており、本日中国政府は、消費刺激策の計画を発表しましたが、今のところ市場からの反応はないようです。
NZドルは、0.5%ほど下落しました。しかし、オーストラリア準備銀行による会議議事録で、今後の利上げの可能性が指摘されたことから、豪ドルは多少のサポートがあるようです。
米企業の決算シーズン本格化を前に株式市場は精彩に欠ける
アジアの株式市場も本日、中国からの経済成長刺激策の計画から恩恵を受けることはできませんでした。ヨーロッパの株式も強弱まちまちで取引されました。
米株式市場の主要指数は昨日、黒字で取引を終えましたが、米先物は横ばいとなりました。
本日注目されるのは、バンク・オブ・アメリカとモーガン・スタンレーといった大手銀行による決算報告となるでしょう。明日は、ネットフリックスやテスラといった大手ハイテク企業による決算報告が予定されています。