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・中国の低調なGDPで株価ラリー緩和、次はハイテク大手による決算報告に注目
・FRBウォラー理事によるタカ派発言もムードに影響、米ドルは小幅上昇
・今週は世界各国のインフレデータ発表にも注目
最新の中国経済指標は将来の見通しへの懸念を払拭できず
本日、第2四半期の中国の経済成長は、予想の7.3%を大幅に下回り、6.3%だったことが示されました。これで、中国経済減速の深刻化だけでなく、政府による刺激策の欠如にも懸念が広がっています。しかし、中国のGDPは、四半期ベースで予想を上回り、6月の工業生産と固定資産も予想以上と、全体としてそれほど悲観する結果ではありませんでした。
しかしながら、6月までの1年間の中国経済は、以前の予想よりはるかに脆弱で、実質的な刺激策はないという事実から、暗い経済見通しへの不安とともに、懸念が高まっています。
株式市場は中国の軟調なGDPで下落、米企業による決算報告に注目
本日のアジア株式市場では、世界第2位の経済大国である中国の低調な経済指標を背景に下落しました。欧州の株式市場も、赤字で取引を開始しましたが、米先物がプラスに転じると、損失を取り戻し始めました。これは、S&P500を15か月ぶりの高値まで押し上げた先週のラリーの勢いがまだ残っていることを示唆しています。
6月の米CPI指数の低下により、FRBの今後の利上げはあと1回との期待が高まり、米株式市場、特にナスダックは急騰しました。しかし、FRBのウォラー理事が金曜日に、年内のあと2回の利上げ支持を表明したことから、この株価の上昇ラリーにブレーキがかかり、センチメントに打撃となりました。
先週金曜日のミシガン大学による消費者信頼感指数が上昇したことも、インフレへの上振れリスクが完全に除去できていないとの警戒感を市場に再認識させました。消費者のインフレ期待に関するこの調査は、7月に上昇しました。明日は、米小売売上高が発表される予定で、6月の個人消費の堅調さの手掛かりとして注目されるでしょう。
今週の米株式市場は、大手銀行に加えて、テスラやネットフリックスといったハイテク大手による第2四半期の決算報告が続き、これらの収益にも注視することになりそうです。
米株価が既に過大評価されている中、ハイテク大手の決算シーズンへのリスクは高いといえるでしょう。
世界各国のCPI指数発表を前に米ドル苦戦、ゴールドは反発
株式市場の強気トレンドが一服したことは、米ドルには朗報となり、先週他の主要通貨に対して15か月ぶりの安値まで下落していた米ドルは、金曜日に売りが緩和されました。しかし今週は、FRBメンバーによる発言があまり予定されていないため、米ドル上昇のサポートとなる材料に欠け、本日はまた下振れ圧力に直面しているようです。
今後の米企業による決算報告が概ねプラスで、リスク選好へのセンチメントが改善する場合、米ドルには良い兆候とはなりません。また今週は、カナダや日本、そしてニュージーランドやイギリスといった国のCPIレポートによるリスクもあります。
これらの国でのインフレが予想以上に減速する場合、米ドル下落緩和となる可能性があります。
コモディティでは、中国の低調なGDPを受けて原油先物が1%以上下落しました。しかし、ゴールドは、売り圧力に抵抗して、1オンス1.955ドル付近の維持を試みており、先週突破を試みた1オンス1,960ドルのレジスタンスゾーンからの突破が期待されます。