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・米インフレレポートは減速と予想され、米ドル続落
・日米利回り差の縮小で円高へ
・ニュージーランド準備銀行は金利据え置き、カナダ銀行も本日政策金利発表
・米国債利回り低下で米株式市場とゴールドは上昇
本日の米CPI指数は軟調と予想で米ドルの売り調整進む
昨日米ドルは、全ての主要通貨に対して下落し、本日のアジアセッションでも続落しています。
本日の米CPI消費者物価指数の発表を前に、インフレの減速を予想して、市場の売り調整が始まっているのかもしれません。これは、米国債利回りの低下と市場のFRBによる利下げを織り込んだ金利経路修正からも裏付けされます。
6月の米CPI指数は、特に総合インフレ指数で、前年比4.0%から3.1%とほぼ1%近くの低下が見込まれ、またコア指数も前年比5.3%から5.0%まで低下すると予想されています。
米ドルは既に下落基調であるため、実際のCPI指数が予想を下回る場合、多少続落する可能性があります。しかし、CPI指数が予想外に上振れとなる場合、米ドルは大幅に反発すると考えられます。
米ドル後退で、ドル指数は現在100.70のサポートゾーン付近で推移しており、2月以来の安値となっています。CPI指数が下振れとなる場合、米ドル指数はさらに低下する可能性があります。そして市場は、全体の見通しに関して、あと1回の利上げで十分であり、来年の一連の利下げが適切であると判断し、弱気市場に戻すかもしれません。
一方、予想外の上振れだった場合は、米ドルの急激な回復を促し、ドル指数は100.70から106.50の間での価格行動を維持し、中立的な見通しを継続するかもしれません。
円高進行、NZ中銀は据え置き発表、カナダ銀行は利上げ決定か
日米の利回りの差が縮小する中、日本円は為替市場を牽引し、ドル/円は140円を下回って取引されています。本日の日本での株式市場の低調なパフォーマンスに対する日本円の乖離も裏付けされています。
本日はニュージーランド準備銀行による政策会合があり、金利の据え置きを発表しました。ニュージーランド準備銀行はまた、当分の間金利の据え置きを示唆しているにも関わらず、リスク連動通貨である豪ドルとNZドルは本日、米ドルに対して上昇しています。
本日はまた、カナダ銀行による政策金利発表が予定されており、先月に続いて0.25%の利上げを実施すると予想されています。しかし、カナダ銀行による今後の予測では、カナダのインフレは予想以上に減速すると見られているため、利上げの場合もハト派的見解が加えられ、カナダドルに打撃となる可能性があります。
本日の米CPI指数発表を前に、米株式市場は黒字、ゴールド上昇
重要な米CPI指数の発表を前に、市場は価格圧力の緩和を予期したことから、米株式市場は昨日上昇しました。本日、予想以上に米インフレが低下していると確認できる場合、株式市場は、しばらくの間上昇し続けるでしょう。
10月に始まった株価上昇の原動力となっているハイテク企業は、バリュエーションの観点からいうと、高値すぎると考えられています。しかし、来年のFRBによる大幅な利下げへの期待から、現在の高価な価値を保っており、株式市場を支えていると言えます。
米ドル下落と米国債利回りの低下により、ゴールドは1935ドルを一時上回るほど上昇しました。本日のインフレが大幅減速となる場合は、ゴールドは上昇を拡大し、次の重要なレジスタンスゾーンとなる1975ドル付近に向かって上昇する可能性があります。