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・FRB議長による数回の利上げ示唆で米ドル上昇
・日銀植田氏は「政策変更にはまだ時間がかかる」と発言
・FRB議長の発言を受けてS&P500とダウ・ジョーンズは下落
FRB議長のタカ派姿勢から米ドル上昇
昨日のECBのフォーラムでは、日米欧英の中銀トップによるパネルディスカッションが開かれました。このディスカッションにより、7月の利上げへの期待が高まりましたが、市場が一番注目したのはFRBパウエル議長のタカ派的な意見だったようです。このため、今回はパウエル議長の発言が、米ドルの強気筋への後押しとなったようです。
パウエル議長は、7月の利上げの可能性を否定せず、年内の利上げは数回あり得ると述べました。FRBが引き締めサイクルを終了する前に、1回以上の利上げがあると示唆したのは今回が初めてとなります。また、議長は今年、おそらく来年もインフレが目標まで低下するとは思わないと述べ、現在利下げ観測は議論の対象ではないことを明確にしました。
この発言で、市場はついにFRBの利上げ継続を確信したようですが、FF金利先物によると、金利経路を上昇修正したものの、2回目の利上げはまだ織り込まれていません。代わりに、0.3%相当の追加利上げを織り込んだ一方で、来年の一連の利下げ観測も維持しています。
これにより、この先の米経済指標が1回以上の利上げを正当化する場合、さらなる価格変更が考えられ、米ドル上昇となるでしょう。しかし、米経済指標が反対の兆候を示す場合、ユーロやポンドに対して、米ドルは売り圧力に晒されるでしょう。ECBとイングランド銀行は、今後の利上げ継続が確実視されている上、来年も利下げはないと見られています。
本日、ユーロ/ドルにとっては、ドイツのCPI指数の発表が材料視されるでしょう。ドイツのCPI指数は、加速すると見られています。明日は、ユーロ圏全体のCPI指数の発表があり、総合CPI指数は減速すると見られているものの、食品、エネルギー、そしてタバコを除く価格圧力は加速すると予想されています。この場合、ECBによるタカ派姿勢を正当化し、ユーロ/ドルの復活となるかもしれません。
日銀植田総裁の発言で円安進行、ドル/円は145円に近づく
昨日のディスカッションで、唯一ハト派だったのは日銀の植田総裁でした。植田総裁は、インフレが来年加速することが合理的に確信できる場合、緩和措置の撤去を開始する正当な理由があると述べました。しかし、十分な賃金上昇とともにインフレ目標を達成するには「まだ時間がかかる」とも付け加えました。
この発言は、日銀による早急な政策調整への可能性は低いとの憶測と高め、円は引き続き売り圧力に晒されています。しかしドル/円は現在、145円をわずかに下回って取引されており、一部の円売りは、145円を超えた場合の政府による介入を警戒した利益確定への動きかもしれません。そのため、この市場の警戒感そのものが、修正的な後退をもたらす可能性があります。
ナスダックは上昇もS&P500とダウ・ジョーンズは下落
パウエル議長の発言は米株式市場にも影響を及ぼしました。昨日、ナスダックは上昇したものの、S&P500とダウ・ジョーンズ工業株平均はともに、市場が金利経路を上方修正したことで、わずかに赤字で取引を終えました。
ただ、ハイテク株が占めるナスダックが上昇したことから、市場はハイテク株への投資を継続しているようです。しかし、ウォールストリート・ジャーナルが、アメリカによる中国へのAI半導体輸出規制の計画を報じたことから、エヌビディアの株は1.8%下落して取引を終えました。来年のFRBによる一連の利下げ観測とともに、AIビジネスの急激な成長への期待から、米株価の下落は今のところ限定的といえるでしょう。