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・さらに円安進行で数年ぶりの安値に近づく
・米経済指標の発表を前に米ドル小幅下落、ユーロ上昇
・ハイテク株は利益確約の動き、ECB年次フォーラム開幕
引き続き円安進行
ロシアでのクーデターの失敗による地政学的な緊張の中、市場は大きな動きに消極的なようで、昨日の為替市場は比較的静かな取引で終えました。
昨日の早い段階で、ゴールドや債券などのディフェンシブ資産や、日本円とスイスフランといった通貨が安全資産としての流れを引き付けました。しかし、これらの動きは限定的で、ロシアの状況が安定したことが明らかになると、最終的には後退しました。
これで、再び円安が進行し、日本からの資本流出に伴い、日本円は特にユーロとポンドに対して数年ぶりの安値まで近づいています。市場は政府による為替介入への警戒感に聞く耳を持たず、日銀が来月イールドカーブ・コントロールの上限を引き上げるとの兆候も今のところ大きな影響はありません。
市場による政府の直接的な介入の可能性が低いとの見解はおそらく適切で、日本円のボラティリティの抑制にも反映されています。しかし、国内のコアインフレ指数が急騰し、日銀による来月の政策修正が現実的になっており、日本の利回りの緩やかな低下を鑑みると、市場はこのリスクを見落としているようです。このため、金曜日に発表される東京都でのインフレ指数は、クロス円の行方を判断するのに重要な指標となるでしょう。
米ドル小幅下落、ユーロは上昇
本日米ドルは、明らかなきっかけに欠けるものの、小幅下落しました。ここ1か月の米ドル上昇は著しいものだったことを考えると、年内の利下げ観測が後退した現在、FRBの金利経路を上方修正する調整の時期と言えるでしょう。
一方ユーロ圏で経済の勢い失速との兆候にも関わらず、今月ユーロが上昇しているのはさらに奇異な現象と言えます。ECBによる今後の利上げ観測もユーロ上昇の一因と言えますが、資本は後退している経済には流入しません。
そのため、今月のユーロ上昇はおそらくリスクセンチメントの視点から説明できると言えます。株式市場がハイテク株とボラティリティ崩壊に先導され急騰する中、リスクテイクの高まりが為替市場にも波及しており、米ドルには圧力がかかるものの、ポンドといったリスクに敏感な通貨は恩恵を受けています。
したがって、株式市場が現在金融市場の中心となっているようで、ハイテク株の深刻な調整は、他の資産にも大きな影響を与えかねないことを示唆しています。
ナスダック下落、本日の米経済指標に注目、ECBフォーラム開幕
株式市場での調整はもう始まっているとの兆候が見られます。ナスダックは昨日、1.2%急落し、ハイテク株のラリーの終わりを示唆しました。しかしこの後退も、ハイテク株の将来への大規模な再評価ではなく、四半期末の再調整の流れや超強気市場の後の利益確定の可能性があります。
今のところ市場は、高価なバリュエーションと停滞する企業収益を材料視していませんが、今年後半で流動性が枯渇するとこの考え方を一変する可能性があります。
本日、耐久財の受注と新築住宅販売、そして消費者信頼感といった米経済指標の発表が続きます。カナダドルは本日、およそ10か月ぶりの高値を更新しており、本日のカナダのインフレレポートによって、この上昇が継続するかどうかが左右されることになるでしょう。
最後に本日、ECBの年次フォーラムが開幕し、通常このイベントはアカデミックなものですが、ここ数日で主要な講演者の参加が予定されています。