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・英中銀による0.5%利上げとユーロ圏のPMI悪化で景気後退への懸念高まる
・FRBタカ派維持で更なる引き締めの必要性を強調
・ポンドとユーロ下落で米ドル上昇、米株価は今週損失へ
先行き不透明な経済で景気後退への懸念再浮上
先週のFRBとECBによる政策金利発表に続いて、昨日イングランド銀行が0.5%の大幅利上げを発表しました。これで市場はついに、各国中銀による引き締め政策は終焉からは程遠いことを確信したようです。
イングランド銀行による利上げ加速は、英国の市場を超えて、インフレとの闘いはまだ終わりではないことに現実味を帯び、警戒感が高まっています。
昨日、スイス国立銀行とノルウェー中銀、そしてトルコ中銀ともに、利上げを発表したことも、引き締めトレンドを強調しています。FRBパウエル議長もまた、昨日米上院での議会証言にて、今後2回の追加利上げを示唆し、タカ派を維持しました。
世界の中銀によるこの重要な動きは、その効果が完全に表れるまで時間がかかるものの、世界の金融市場に反響しています。これまで、経済データの上振れ予想は、借入コストの急騰にも関わらずリスク資産を下支えしてきました。
しかしながら、特に欧米の主要な経済にて、悪影響が見え始めています。5月のユーロ圏PMI速報値によると、ユーロ圏の製造業は、2020年5月以降最速のペースで縮小しており、全体の経済活動も横ばいを示しています。イギリスでは、5月の小売売上高が予想外に上昇し、経済の勢いは維持しています。しかし、市場はイングランド銀行が、少なくても6%まで利上げを行うと予想しており、英経済の景気後退は避けられないと見ているようです。
米ドル再び安全資産として上昇、ユーロとポンドは下落
今週は、不透明な経済見通しから、米ドルが安全資産として復活し、ドル指数は他の主要外貨に対して1週間以上ぶりの高値を更新しました。
タカ派を維持するFRBと先進国の比較的堅調な経済から、米ドルは再び恩恵を受けています。対照的に、イギリスとユーロ圏は高い金利の下、企業や消費者がどれほど持ちこたえられるかへの疑問が高まっています。
イギリスでの長期利回りは、昨日の利上げ後、市場が英経済の今後に悲観的となったことから、実質的に低下しました。ユーロ圏の利回りも本日の軟調なPMI数値から、同様に低下しています。一方で、米10年債利回りは、ここ最近でのピーク付近で推移しています。
為替市場では、ユーロは本日、1.09ドル以下まで下落し、同様に豪ドルとNZドルも下落基調です。しかし、イングランド銀行への今後数回の利上げへの期待から、ポンドの損失は限定的なようです。
一方で、円とスイスフランは、安全資産としての恩恵を受けています。日本の5月のコアCPI指数は、予想を下回ったことから、日銀による政策修正への期待をわずかに押し上げましたが、10年債利回りは現在、先の利益を取り消しています。
米株価は今週下落も他の株式市場に比べて好調
為替市場では、アジア市場での下落が牽引する形で、今週の損失へ向かっています。中国経済の停滞とG7諸国での利上げ継続の中、アジアでの楽観ムードが不足し、日本市場にも警戒感が漂い始めたようです。
米株式市場では、S&P500が5月中旬以来初めて、ナスダックは4月下旬以来初めての週次損失に向かっています。米先物は緩やかな下落を示していますが、今のところ、これは健全な調整と見られ、強気市場の低迷を示唆するほどではないといえるでしょう。
リスクオフのセンチメントはコモディティでも重荷となっているようです。原油先物は、3月以来の安値近くで取引されています。ゴールドは今週下落基調でしたが、本日何とか1オンス1,910ドル辺りでサポートを見つけ、わずかに上昇しています。