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・FRBパウエル議長の利上げ継続示唆も為替市場は納得できず
・英中銀は本日、0.25%か0.5%の利上げ発表か
・米株式市場は後退、ビットコイン急騰
FRBパウエル議長の議会証言に市場は納得せず、米ドル下落
昨日、FRBパウエル議長は、米下院金融委員会の定例の議会証言にて、比較的タカ派の発言を繰り返しました。しかしながら、米ドルは他の主要外貨に対して下落しました。
パウエル議長は、FRBの今後の方向性として、利上げは「かなり公算が大きい」と言及しました。この発言で、今月の利上げ据え置き決定が、引き締めサイクルの終焉ではないことを裏付けした形となります。しかしながら、議長が2回の0.25%の利上げが織り込み済みと示唆するのではなく、「公算」と推測を示唆したことは、着目すべきでしょう。
また、議長が今後の利上げの回数を特定しなかったことから、市場はあと1回の0.25%の利上げ観測を維持しました。FRBのドットプロットでは、0.5%相当の追加利上げを示しています。市場は現在、来年に一連の利下げを予想している一方、今年11月までの1回の追加利上げを確実視しています。
今後の不透明さは、シカゴ連銀グールスビー総裁とアトランタ連銀ボスティック総裁の発言からも窺えます。両総裁は、今後の利上げを決定する前に、経済データを吟味する必要があると述べました。
パウエル議長の発言とともに、これらの発言は市場の失望感を誘い、昨日米ドルの売りを促しました。このため、今週火曜日の米ドル回復は、単なる一時的な回復であり、米ドル復活への議論は時期尚早であることを裏付けました。
英中銀による利上げは0.5%となるか
本日パウエル議長には、米国上院での議会証言にて、FRBの方針について再度市場を納得させる機会が与えられます。しかし、本日の重要なイベントは、イングランド銀行による政策金利発表となるでしょう。
昨日の英CPIコア指数が上昇したことから、イングランド銀行による利上げは、今後1.5%相当が見込まれており、現在市場は、本日の利上げが0.25%か0.5%かで意見が分かれています。
したがって、ポンド上昇の拡大には、イングランド銀行による0.5%の利上げだけでなく、市場に積極的な利上げを維持するとのタカ派的なメッセージを伝える必要があるでしょう。この期待に応えない場合、ポンド下落となる可能性があります。現在の市場価格から、市場の失望によるポンドの下落幅は、期待通りのポンド上昇幅よりも大きくなる可能性があります。
本日はスイス国立銀行による政策金利発表もあり、0.25%の利上げを発表しました。大幅な利上げを期待していた投資家には期待外れの結果となったため、スイスフランを押し下げています。
パウエル議長の証言に株式市場は納得の様子
為替市場とは対照的に、株式市場は、パウエル議長の昨日の発言を十分にタカ派と解釈したため、引き続きリスク選好が低下しています。ナスダックが最も下落し、米株式市場の3指数全ては、赤字で取引されました。
しかし、指数が昨年10月の安値から47%ほど急騰した後、わずか3%ほど後退したにすぎないことから、特に市場による一連の利下げ観測の中、弱気市場の検討は今のところ賢明ではないと言えます。
仮想通貨では、ビットコインが4月以来初めて3万ドルを超えて急騰しました。これは、ブラックロックが、暗号通貨業界での政府による規制強化の中、ビットコインの上場投資信託を申請すると発表したことに起因しています。仮想通貨は、4月14日に更新した高値からの下降トレンドラインから突破したことから、今後も上昇するかもしれません。