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・米住宅着工件数の急増から米ドル上昇
・本日から2日間のFRBパウエル議長による議会証言に焦点
・英CPI指数の上昇で英中銀は明日0.5%利上げに踏み切るか
・FRBパウエル議長の議会証言を前に米株価下落
FRB議長は議会証言で市場に追加利上げを確信させられるか
昨日米ドルは、日本円を除いた他の主要通貨に対して上昇しました。これは、本日始まるFRBパウエル議長の議会証言を前に、リスクオフの取引となったことが示唆されました。しかし、本日のアジアセッションでは、この動きはやや反転しているようです。
市場のドル買いの背景には、米住宅着工件数の急増と建築許可件数の回復であった可能性があり、一部ではFRBによる利上げ観測が高まっています。現在、市場は11月までの0.25%の利上げを織り込んでいますが、引き締めサイクルの終わりに2回目の利上げを行うかどうかはまだ確信していないようです。
本日から二日間、パウエル議長は議会証言において、FRBの今後の意図を市場に説得する機会を与えられます。しかし、米経済データが、物価圧力の緩和と賃金上昇の軟化を示す中、これまでの連続の利上げが完全に効果を発揮していないため、パウエル議長が説得力を持つのは難しいかもしれません。
しかし、住宅着工件数の増加と1年先のインフレ期待がFRBの目標である2%を大きく上回っている事実は、FRBの議論を合理化する可能性があります。したがって、パウエル議長が、インフレ抑制まですべきことがあり、金利を高い基準で継続する必要性を強調する場合、米ドルはやや上昇するかもしれません。
しかしながら、価格圧力の減速を示す経済データによっては、インフレ期待の低下と市場の来年早々の利下げ観測の高まりとなり、米ドルの強気反転を求めるのは得策とは言えません。
英CPI指数で英中銀には大幅利上げの期待
一方英国では本日、CPI指数が予想を上回ったことから、イングランド銀行への大幅な利上げの圧力がかけられています。特にコアCPI指数が、前年比で7.1%上昇したことから、明日のイングランド銀行による政策会合で、0.5%の利上げの可能性が30%から55%に上昇しました。市場は、イングランド銀行の追加利上げを昨日の1.4%から1.6%相当に上方修正すると見られています。
このような価格設定では、明日の政策金利が0.5%以下の利上げの場合、ポンドが下落する可能性があります。ベイリー総裁が、市場の期待、または需要に応え、タカ派姿勢を示す場合に限って、ポンドの上昇は維持することができるでしょう。ただし、反対に市場が期待外れと判断する場合の下落の幅は、期待通りの上昇幅よりも大きくなることが予想されます。
FRBパウエル議長の議会証言を前に米株価下落
米株式市場は昨日、3つの指数全て、赤字で取引を終えました。これは、中国政府による小幅な利下げがセンチメントを後押しできず、FRBパウエル議長の議会証言前のリスク回避ムードから、市場が利益確定に動いたためと思われます。
パウエル議長が議会証言にて、数回の利上げ継続と利下げ開始の延期を市場に確信させることができる場合、株式は続落する可能性があります。しかし、米ドルも同様ですが、反転を議論するのは時期尚早です。ナスダックは昨年10月以来の安値から約47%上昇しており、市場が来年の利下げ観測を維持する場合、緩やかな後退は、より広範な上昇トレンド内での大きな反転となる可能性があります。