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・株式市場は不透明な見通しから赤字でスタート、パウエル議長の議会証言でムード改善となるか?
・中国は景気活性化を推進も、アジア市場はあまり反応なし
・ポンドは英中銀の政策発表前に上昇、スイス中銀も今週会合、米ドルは安値からやや回復
金融政策への警戒感から市場は慎重姿勢
今週は、FRBパウエル議長による議会証言が予定されています。市場はこの機会に、先週のFRB会合での政策経路についての手掛かりを得ようと期待しています。この議会証言は、米議会の両院にて、半年ごとに定期的に行われるもので、今回は今週の水曜日と木曜日に予定されています。
FRBによる利上げ一時停止は当初、米株式市場に前向きに捉えられ、米ドルは為替市場にて大幅な売り圧力に晒されました。しかし先週の会合後に、FRBメンバーが利上げ継続の可能性を示唆したことから、現在はこの向きに疑念が生じているようです。
特に注目すべきことは、FRBのウォラー理事が、インフレが変化していないことから、もう少し引き締めが必要だと警告したことです。
この発言により、7月の会合がリアルタイムで進行する「ライブ」になるだろうとの期待を高めましたが、投資家の多くは、9月か11月での最後の利上げを予想しており、最初の利下げは来年の1月に延期されました。
FF金利先物の価格改定により、米ドルは緩やかに上昇しましたが、金曜日の株式市場は赤字で取引を終えました。本日の米市場は、奴隷解放記念日にて祝日のため休場となり、先物では横ばいで取引されています。
ユーロとポンドのラリーはやや失速気味も上昇中
先週のECBによる0.25%の利上げ決定と利上げ継続示唆から、ユーロとポンドはともに急騰しました。イングランド銀行も、今週木曜日に政策会合が予定されており、ECBと同様、利上げが予想されています。しかし、FRBメンバーによるタカ派発言が続いたことで、ユーロとポンド上昇の勢いが失われつつあるようですが、ECBとイングランド銀行の政策経路は共に、FRBよりも短期で明確であるため、両通貨は堅調に推移しています。
特にイングランド銀行は、他国よりもインフレが蔓延しており、英国経済の継続的な回復の中、利上げをする可能性が高いでしょう。ユーロは1.09ドルを上回り、ポンドは2022年4月以来初めて1.28ドルを上回って取引されています。
イングランド銀行は、今週の会合にて、予想を上回る0.5%の利上げをする可能性もありますが、引締めサイクルの終了を示唆する可能性もあります。
中国による大幅刺激策の欠如から豪ドルとアジア株式市場は下落
今月最も上昇しているのは豪ドルですが、中国の経済見通しへの懸念が再浮上している中、本日打撃を受けているようです。多くのアナリストが、中国の今年のGDP成長率を下方修正する中、中国政府は今のところ、経済を後押しする政策には中途半端な試みがされているようです。
中国人民銀行は、ここ数日の他の貸出金利の引き下げに続いて、明日5年と10年のローンプライムレートを0.1%ほど引き下げると広く予想されています。しかし市場は、これらの政策緩和が経済成長の起爆剤となるには十分だとは確信していないようです。
また、中国国務院での閣議で、経済成長の減速について決定的な取り組むを提案しなかったことにも市場には期待外れとなりました。閣議では安心させるような文言があったものの、新しい措置の発表には至りませんでした。
いかなる刺激策も今のところ、不動産といった特定のセクターを対象としているようで、少なくてもまだ、大幅な刺激策の提案には至っていません。
明るいニュースとしては、ブリンケン米国務長官が中国外相と北京で会談したことで、両国間で長い間の緊張関係の緩和が示されたことでしょう。
それにも関わらず、アジア市場は本日、このニュースにあまり影響されていないようで、ほとんどの主要指数がマイナス圏で取引を終えました。今週控えるスイス国立銀行による政策金利発表や、PMI指標などに先立って、市場には警戒感が表れているようです。