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・FRBは金利据え置き発表も年内にあと2回の追加利上げを示唆
・市場はFRBの方針に懐疑的で米ドル下落、株価上昇
・本日はECB、日銀は明日政策金利発表
FRBは金利据え置きも予想以上のタカ派姿勢維持、市場は懐疑的な反応
昨日FRBによる政策金利発表があり、大方の予想通り金利を据え置きました。しかし、金利予測であるドットプロットにおいて、年内に2度の追加利上げを示唆することでタカ派を維持しました。これにより、この据え置きは、利上げの完全な停止ではなく、利上げサイクルの一時的な休止として受け止められました。
経済予測も上方修正され、FRBは今年、コアインフレの上昇にも関わらず、より力強い経済成長と回復力のある労働市場を注視していることが分かります。昨日の会見から、FRBは金利を継続的に高く維持することを示唆しており、利下げについて、パウエル議長は数年後になるとまで言及しました。
しかし市場は、昨日のFRBの決定と方針に、懐疑的なようです。市場価格では、再利上げの確率は80%に留まっており、FRBの言及する再度2回の利上げとはかけ離れています。市場の懐疑心は、ほとんどの資産に反映されており、FRBのタカ派的なメッセージにも関わらず、米ドルは損失で取引を終了し、株式市場は初期の損失を帳消しにして上昇しました。
市場は、FRBほど経済成長に楽観的ではなく、今年後半の軟調な経済指標によりFRBの利上げ遂行は難航すると解釈しているようです。こればかりは、今後の経済指標によって、市場かFRBか、どちらが正しいのかが判断されることになるでしょう。
円安で米ドル上昇、ゴールド下落
ドル指数は昨日、米国債利回りの上昇と円安により、回復したようです。日本円は、日銀と他の中銀との政策乖離から、すでにユーロに対して2%下落しており、ポンドに対しては数年ぶりの安値を更新しています。
市場は明日の日銀による政策金利発表を前倒しして、政策変更はないと捉えているようです。インフレと賃金の伸びが加速する一方で、日銀はまだこの上昇が続くとは確信していないようです。最新の予測では、インフレ率が予測期間全体で2%を超えて留まることが示唆されており、来月の予測で変更はあるものの、今のところ日銀は慎重姿勢を維持する可能性があります。
ゴールドは、FRBの据え置き決定から打撃を受けました。ゴールドは、昨日のドルと利回りの後退から恩恵を受けることができず、相対的な弱さの兆候を示していますが、このドルと利回りが反転したことから、本日は3か月ぶりの安値まで下落しました。中国やトルコが通貨安定のためにゴールドを売却しており、これが影響しているのかもしれません。
中国金利引き下げ、本日ECB政策金利発表
中国は、さらなる軟調な経済データから、中期貸出制度の1年物金利を引き下げました。この動きは、今週のレポ金利引き下げ後に予想されていたので、市場での驚きの反応はありませんでした。
本日は、ECBの政策金利発表に注目があつまります。0.25%の利上げが完全に織り込まれているため、ユーロの反応は主に、ECBによる今後の方針への発言に左右されることになるでしょう。
ユーロ圏はすでにテクニカル・リセッションに陥っており、インフレ加速が緩和している兆候が見られる中、ECBはタカ派発言を控えめにして、今後について特に約束しないことが賢明であると思われます。もしECBがデータに依存するアプローチに移行して、来月の利上げ一時停止の可能性を示唆する場合、夏の利上げ観測が後退するため、ユーロは下落する可能性があります。
また、米小売売上高も本日発表されるため、本日の経済カレンダーは忙しい一日となりそうです。