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• 豪中銀に続きカナダ銀行も利上げで豪ドル・カナダドルともに上昇
• 市場は「一時停止」を再評価する必要あり
• FRB金利政策の道筋に市場は戸惑い、ハイテク銘柄急騰も一服
相次ぐ中銀の利上げで市場は利上げ継続に戸惑い
昨日カナダ銀行は、オーストラリア準備銀行に続き、持続的なインフレとの戦いを強化すべく利上げを決定しました。カナダ銀行は、今年1月の利上げから一時停止期間に入っていましたが、この度0.25%の利上げを行ったことは極めて重要だと言えます。
西側諸国の経済は、インフレと経済成長の両方のデータにおいて、予想以上の継続的な上振れへの対応に追われています。ほぼ全ての中央銀行は、このインフレ上昇が一時的なものであるとの見解を訂正しましたが、それでも、パンデミックやウクライナ戦争、そして世界的な労働力不足などを起因とする価格上昇の完全な影響を過小評価していたようです。
しかしながら、オーストラリア準備銀行とカナダ銀行による今週の利上げは市場を驚かせただけでなく、引き締めが終了していないことを示唆したことで、来週のFRB会合を前に市場への大きな警笛となりました。
FRB金利経路不透明で米ドル下落
先物市場におけるFF金利価格設定によると、市場によるFRBの金利経路は不透明なようです。今のところ、6月にスキップ、7月に利上げでその後一時停止した後、12月に利下げを予想しているようです。
豪中銀とカナダ銀行による利上げの後、市場は再びFRBによる年末までの利下げを1回織り込むようです。しかし7月、もしくは9月の最後の利上げはまだ完全に織り込れておらず、来週会合での利上げの可能性もまだあるようです。
この市場のFRBの金利経路は不透明に見えるため、米ドルは方向性を失っているようで、先週の米ドル安を裏付ける形となっています。また、来週水曜日のFRB会合にて、メンバーの意見が分かれる可能性もあり、米ドルの行方は早急に解決できないかもしれません。
豪ドルとカナダドルは上昇
今週の豪中銀とカナダ銀行による利上げ決定で、豪ドルとカナダドルはともに、4週間ぶりの高値近くまで上昇しています。対米ドルで、ユーロは1.07ドル、ポンドは1.24ドルといった重要な水準までそれぞれ回復しています。
日本が第1四半期GDP予測を上昇修正したことで、日本円は対米ドルで堅調に推移しています。これで、日銀による政策修正への確率も上昇しました。
一方、トルコリラは下落し続け、エルドアン大統領の再選後、経済政策刷新への懐疑的な見解から今週は10%以上も下落しています。
ハイテク銘柄急騰は一服
FRBによる一時停止は金利のピークとはならないとの認識から、今年後半も利上げ継続の可能性があるため、株式市場は動揺しているようです。昨日、大手ハイテク銘柄の下落からナスダック総合指数は1.3%下落し、米先物は最終的に横ばいで取引を終えました。
FRBの引き締めサイクルが終わりに近づいているとの期待により、昨年の弱気市場に替わって今年の株式市場は活気に満ちています。ハイテク銘柄の急騰とともに、S&P500は現在、強気市場に参入する様子で、10月の安値から約20%回復し、ナスダックはさらに上昇しました。
しかし、世界中の借り入れコスト上昇から、市場は高騰する銘柄の収益を再考する必要があるようです。FRBによる一時停止が近づいたとしても、来年の1%以上の利下げの可能性は、AIへの熱狂もどれほど続くか未定の中、株式市場にとっても悪影響を与える可能性があるでしょう。