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・FRB利上げ継続観測とリスクオフから米ドルは上昇を拡大
・利回り上昇からゴールド下落、日銀の引き締めへの消極姿勢から円安へ
・エヌビディアの決算報告から時間外取引で株価急騰
米利上げ継続観測の復活で米ドルも復活
ここのところ、 市場はFRBがこの夏にもう一度利上げを行い、利下げはしばらくないとの見方を強めているようです。昨日、FRBウォラー理事の発言と前回FRB会合の議事録公開によって、インフレ抑制において重要な進展が見られていないことが確認され、この観測はさらに高まりました。
今後の引き締めに関しては、FRBの中でも意見が分かれているようです。一部のメンバーは、利上げを完全に停止して、これまでの利上げの影響を見守るとするのに対し、利上げ継続を主張するメンバーもいます。ほとんどのメンバーは、次期会合での決定に対して、まだ判断を決めかねており、これからのデータに依存することを強調しています。今のところ、全体として利下げを議論することは時期尚早との見解で全員一致しています。
このため、経済指標が重要視されており、企業調査が堅調であることから、6月での利上げは30%、7月での利上げは65%の確率で支持されているようです。一方年内の利下げに関しては、1回のみと織り込まれています。
このFRBによる金利経路の再調整は、いくらかの安全資産の流れと米経済が欧州の経済を凌ぐ勢いであるとの兆候とともに、米ドル復活への追い風となっています。来週の米雇用統計が、労働市場の底固さを示すか、株式市場が依然として不安定である場合、米ドルはさらに上昇する可能性があります。
利回り上昇でゴールドと円は下落
FRB利上げ継続観測の高まりと米国債利回りの上昇によって、米ドル回復となりましたが、日本円には打撃となっています。日本円は、日銀の金融引き締めへの消極的な姿勢から、その上昇は抑制され続けています。市場は現在、日銀による引き締めを織り込んでいませんが、日本の堅調な経済指標は、引き締めの可能性がゼロではないことを示唆しています。このため、明日発表の東京都の消費者物価指数が注目されるでしょう。
一方ゴールドは、今月の初めに過去最高値を更新した後、実質利回りの上昇と米ドル急騰から下落しています。今のところ、この下降トレンドは継続すると見られ、1,950ドルを下回ると、さらに1,915ドル辺りまで下落する可能性があります。
しかし、西側諸国と緊張関係が続く国々によるゴールドの購入トレンドが、ゴールド価格の下限を支えることから、このダイナミックスは大きな影響となります。同様に、景気後退への懸念やFRB利下げ観測の高まりも、ゴールド復活につながる可能性があり、広範囲での上昇トレンド内の修正となるかもしれません。
エヌビディア株急騰で株式市場も回復
米株式市場は昨日、FRBの金利経路の再修正と利回りと株式の負の連鎖から、主要の株式市場指数はいくらか下落しました。
しかしながら、米半導体大手エヌビディアが予想を大幅に上回る決算を報告し、次の四半期でも収益急増との予測を発表したことから、株価は急騰しました。エヌビディアの株価は時間外取引で25%も急騰して過去最高値を更新し、今週のこれまでのナスダックの損失を全て帳消しにしました。
すなわち、エヌビディア一社が株式市場の救世主となったことで、一握りの企業が株式指数を背負っていることが証明されたことになります。特に債務上限交渉が合意に達した後、流動性が枯渇することから、夏頃までに、この懸念すべき事実は現実味を帯びるでしょう。
債務上限を巡っての交渉に関しては、信用機関であるフィッチがアメリカを「格付け監視」の下に置き、時間内に合意に達しない場合は、格下げすると警告し、米議会へ警笛を鳴らしました。