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・債務上限交渉は超党派合意に前向き
・米失業保険申請件数は予想を下回り減少
・FRBメンバーのタカ派発言続く
・6月の米利上げ観測高まり米ドル上昇
・好調な米経済と債務上限交渉への合意への期待から米株価続伸
債務上限問題で合意への期待と堅調な米経済指標、FRBタカ派発言で米ドル上昇
昨日の米ドルは、ほぼ全ての主要外貨に対して上昇し続けましたが、本日はその上昇も一段落しているようです。
バイデン大統領とマッカーシー下院議長は、債務上限を巡る交渉において、バイデン大統領が日曜日にG7サミットから戻った後、合意に達することを望むと述べました。このため、米ドルは7週間ぶりの高値を更新しました。それに加えて、好調な米経済指標とFRBメンバーのタカ派発言とともに、市場では、積極的なドルのロングポジションを積む動きとなったようです。
先週の米新規失業保険申請件数は減少を示し、また、ダラス連銀ローガン総裁とセントルイス連銀ブラード総裁によるタカ派発言とともに、市場の利下げ観測は後退しました。ローガン総裁とブラード総裁は共に、利上げを一時停止するほどインフレは冷え込んでいないと述べました。これで、クリーブランド連銀メスター総裁を加えた3人のメンバーが、来月の利上げに賛成を表明していることになります。しかし、この3人の中でローガン総裁のみが投票権を持つため、6月の会合での憶測には、まだ多くのメンバーの発言に耳を傾ける必要があるでしょう。
本日パウエル議長の発言控え、米ドル反転はまだ時期尚早
FF金利先物によると、来月の会合における0.25%の利上げは現在33%の確率で、年末までに0.45%程度の利下げを行うと見ているようです。堅調な米経済指標とFRBのタカ派発言により、米ドル上昇はしばらくサポートされる可能性があります。しかし、本格的な反転にはまだ時期尚早と言えます。
通常、債務上限への合意はデフォルト直前となることから、今後数週間にまだ予想外の展開となる余地があります。また、FRBのメンバー全員が、利上げ継続を支持しているわけではありません。FRBのジェファーソン理事は昨日、これまでの利上げが経済に及ぼす影響を完全に把握するには時間がかかるとして、利上げの一時停止を視野に入れていることを示唆しました。FRBによる貸し出し調査が潜在的な信用収縮への懸念緩和となり、堅調な米経済指標の発表がつづく中、本日はパウエル議長の発言が注目されるでしょう。
米ドル反転は、テクニカルな観点からも時期尚早と言えます。確かにドル指数は、100.70圏内を何度か突破することができなかった後、上昇基調となり、ダブルボトムが進行中であることを示しています。しかし、完全に進行しているとはいえず、この回復は、修正の特性か、統合の期間の特性といえるでしょう。ドル指数がダブルボトムのネックラインである105.50を突き抜ける場合、ダブルボトムが完了し、逆転が示唆されるでしょう。
米株式市場は続伸
米株式市場は昨日上昇を拡大し、3つの指数全て黒字で取引を終えました。FRB利下げ観測後退にも関わらず、株式への投資は継続され、好調な経済データとデフォルト回避の期待から、株式市場は景気後退回避を祝い、ムードが向上しています。。
ハイテク銘柄の多いナスダックでは、昨年8月の高値である13,720を上回り、2022年4月20日の最高値の14,300に向けて上昇する可能性があります。S&P500は、主要なレジスタンスゾーンである4,150が現在サポートゾーンとなって、このゾーンを超えて、上昇し続け取引を終えました。これも強気への兆候であり、近いうちに4,325辺りまで上昇するかもしれません。