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市場の最大の関心は米雇用統計
市場の流動性が低下する中、本日には米非農業部門雇用者数が発表される為、荒い値動きが予測されます。イースター休暇による取引量低下に加えて、複数の市場は休場となっています。そのため、米雇用統計への市場の反応が通常よりも大きくなる可能性があるでしょう。
米3月非農業部門雇用者数は23.9万人増、失業率は3.6%が予想されています。失業率予想は、数十年ぶり低水準を維持しています。賃金上昇は前年比で若干の勢い低下が予想されているものの、大きな動きはない模様です。既に発表済みの他の労働市場関連指標は強弱混合の結果となった為、予想外の結果の可能性を予測することは難しいでしょう。
米3月ISM景気指数では、労働市場の失速開始が浮き彫りとなりました。更に、失業手当申請件数増加も、失速見通しを裏付ける形になっています。一方、S&Pグローバル調査では、過去6か月で最速の求人数増加、及び賃金上昇が明らかになりました。
現在、5月米利上げの市場予想は50%となっています。米利上げ予想は、今後の市場、及び米ドルの方向性に大きく影響します。
市場への影響
本日は米株式市場、及び米債券市場が休場の為、外国為替市場に注目が集まります。米雇用統計が予想外の結果となった場合、流動性低下により、米ドルが通常よりも動く可能性があります。
銀行のパニック鎮静化は米ドル回復には繋がらず、年内の米利下げ観測が、最近の米ドル下落や債券市場の楽観的観測後退に繋がっています。
他の主要経済の悪化により、米経済指標結果で浮き彫りとなる経済失速、及び債券市場が示す景気後退間近の兆しは、必ずしも米ドル安の転換とはならないでしょう。景気後退が米国から始まったとしても、世界中に波及する為、資金の安全な逃避先は存在しないでしょう。
重要なことは、米ドルは下落しても、選択肢として排除されることはありません。米景気後退や市場のパニックに直面しても、米ドルは世界の基軸通貨の為、底堅い需要が見込まれます。
ゴールド高継続、株価上昇
今週のゴールドは力強く上昇し、2000ドル越えを達成した後も、2000ドル台を維持しています。米利下げ観測に加えて、中国が3月に5か月連続でゴールド保有を積み増していることがゴールド高に繋がっています。
地政学リスク上昇の際の凍結を考慮し、中国人民銀行は米ドルやユーロではなく、ゴールド保有を積み増しているようです。景気後退リスクや利下げ観測が残る中、地政学リスク上昇はゴールド高に繋がります。
昨日に発表された米週次新規失業保険申請件数が労働市場失速を浮き彫りにした為、米利下げ観測上昇が昨日の米株価回復に繋がりました。本日、米株式市場は休場となっています。したがって、米雇用統計発表後の来週月曜日には、プライスギャップが予想されます。