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・他の主要通貨に対して米ドルはまちまちで取引
・明日の米PCE指数とFRBメンバー発言に注目
・ドイツCPI指数は本日発表、ユーロ圏は明日CPI指数発表
・米株式市場は3指数それぞれ1%以上上昇
米ドルは明日発表の米PCEデフレーターまで様子見か
昨日米ドルは他の主要通貨に対してまちまちで取引され、本日も明確な方向性に欠けています。
銀行危機への懸念後退により、米ドルは昨日その損失の一部を取り戻しました。これにも関わらず、市場は依然として、この銀行危機により、FRBが早急に利上げを停止し、年末までに利下げを行うと予想しているようです。
現在市場は、銀行危機で想定された最終レートよりは高い水準を予測していますが、依然として12月までの約0.5%の利下げを織り込んでいます。しかし、5月の次期会合にて、再び0.25%の利上げを行うのか、利上げ停止をするのかについて意見が分かれているところです。
明日、2月の米PCE個人消費支出デフレーターが発表される予定で、FRBの今後の方針について、いくらかの手がかりとなるでしょう。特にコアPCE指数は堅調に前年比4.7%上昇と予想されており、FRBがこの指数をインフレ指数として材料視するため、重要な手がかりとなるでしょう。しかし2月のコアCPI消費者物価指数が減速する中、PCEを取りまくリスクは下振れに傾く可能性があります。
これに加えて、FRBメンバーの発言も今後の政策を予想する点で注目されます。金融政策は引き続きインフレ抑制を目標とすべきと発言したセントルイス連銀ブラード総裁に続いて、リッチモンド連銀バーキン総裁とミネアポリス連銀カシュカリ総裁も本日発言が控えています。これらのメンバーがパウエル議長に同意して、利下げ観測を押し返すのか、そして市場がこの意見に同調するのかが焦点となるでしょう。
ユーロ圏のインフレも焦点
一方ユーロ圏では本日、ドイツの3月のCPI速報値の発表、そして明日はユーロ圏のCPI指数の発表が続きます。
ドイツのCPI指数は著しく減速が見込まれており、そのため、ユーロ圏も同様な減速となると予想されています。しかし、ユーロ圏の基礎となる指標が加速し続けるとも予想されているため、市場はECBによる更なる利上げの必要性を確信することになるかもしれません。これはユーロの買いへの圧力となるでしょう。
銀行危機の緩和から円が売られる中、明日の3月の東京におけるCPI指数が減速を示す場合、ユーロ/円はやや上昇する可能性があります。日本のインフレ減速は、日銀の緩和政策撤廃に時間的余裕を与えるかもしれません。しかし、国内の企業と組合が過去30年で最も急激な賃上げに同意していることから、政策修正に時間をかけることは賢明とは言えないようです。したがって、銀行セクターへの信頼も完全に回復していない現在、円に対しての強気傾向への反転はまだ時期尚早といえるでしょう。
明るい見通しで米株式市場は上昇
米株式市場は昨日、一部の企業による明るい見通しが示されたことで、3指数全て少なくとも1%相当の上昇で取引を終えました。
マイクロンの株価は、第3四半期の減収を予測しましたが、人工知能が売り上げに貢献しているため、2025年の見通しは楽観的であると見られて、7.2%上昇しました。ルルレモン・アスレティカも、年間売上高と利益が株式市場の見積もりを上回ったため、株価は12.7%上昇しました。銀行への懸念が後回しとなり、利下げも視野に入る現在、投資家はポルトフォリオに株式を追加することに積極的になるかもしれません。
ゴールドは昨日、安全資産の流出から、やや下落して取引されました。しかし、FRB利下げ観測への信ぴょう性が高まるにつれ、米国債利回りと米ドルは圧迫されるため、株価上昇となってもゴールドはサポートされる可能性があります。