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• ファースト・シチズン銀行のSVB買収で市場に落ち着き戻る
• 株式市場は小幅上昇、ゴールドは安全資産としての魅力を一部失う
• 主要外貨は円を除いてレンジ取引
市場のムード回復へ
本日は、米経済と金融セクターに関する明るいニュースにより、世界市場に落ち着きが戻りました。先週金曜日に、銀行セクターを巡る持続性への懸念は、その影響への危惧が新たに浮上し、欧州での銀行株の下落となりました。
しかしながら、最新の米企業調査が発表されたことで、サービス部門の需要の回復力とインフレ圧力の再加速を強調した内容となり、経済の明るい見通しが浮き彫りになりました。同様に、企業経営者は、銀行危機が業務に与える影響について、特に懸念を示していないことも分かりました。
これにより、株式市場は奇跡的に復活を遂げ、S&P500は大きな損失を帳消しして0.5%高で取引を終えました。先物は、今週末に他の銀行の破綻が続かなかったことへの安堵感から、本日上昇する傾向です。
銀行を巡るニュースも、明るいニュースが続きます。本日、ファースト・シチズン銀行が破綻したシリコンバレー銀行の預金とローンを吸収すると発表し、規制当局が依然として波及効果を防ぐために、24時間体制で取り組んでいるを示唆しました。
株式市場は上昇へ
激動となった今月、ナスダック100が銀行危機にも臆することなく、6%上昇して取引されているという事実は想像しがたいことです。結局のところ、悲観的な経済ニュースは、企業収益、ひいては株式市場自体にとってマイナスとなります。
その代わり、今回は「悪いニュースは株式市場に良いニュースである」という典型的なケースとなったようです。銀行の混乱により、市場は金利が既にピークに達している可能性が高く、夏頃に値下げも視野に入ると確信しています。これは、リスクの高い資産にとって強力な救済策となり得るため、テクノ株の高騰につながっているようです。
問題は、特にテクノロジー業界でのバリュエーションが再び異常なレベルまで達していることです。利下げ観測と金融システムへの流動性向上への憶測は、株式市場にとっては有利なニュースですが、ある時点で、今四半期から始まる企業収益の後退となり得るこれらのバリュエーションを正当化することは困難です。したがって、株式市場でのリスクに対する報酬の割合は良好とは言えません。
ゴールドは小幅安、為替市場は様子見モード
今月、ゴールドは主に金利予想に対する敏感さ所以、銀行混乱への懸念を反映して、金融ストレスを反映するバロメーターとなりました。銀行セクターが限界点に達したとの広がる懸念の中、米国債利回りが劇的に低下したためゴールドは急騰しました。
このラリーが持続可能かどうかは、最終的には金融システムがどのように推移し、年内に織り込まれたFRBの利下げが実際に実行されるかにかかっています。市場の「ピークストレス」は過ぎ去ったようですが、このゴールド急騰後の後戻りリスクは依然としてあると言えるでしょう。
為替市場では、本日は静かな動きのようです。主要の為替ペアはレンジ相場となっており、市場はセンチメント上昇への次のイベントを模索しているようです。唯一の「深刻な」動きは日本円で、銀行セクターへの懸念後退と米利回り小幅回復により、円は全面的に下落しています。
本日は特に重要な経済イベントや指数の発表はありません。そのため、市場は引き続き、各国中銀のスタンスと経済への影響を吟味して様子見となるでしょう。
