デイリーマーケットコメントーFRB本日利上げか、今後の金利予測に注目

投稿日: 2023年3月22日19時35分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・銀行の混乱へのリスク後退でFRBは本日利上げか
・市場はFRBによる今後の金利予測と声明に焦点
・英インフレ上昇でポンド上昇、明日の英中銀利上げ予想へ

本日、重要なFRB金利政策発表

本日は、ここ最近の歴史の中で最も重要となるFRBの政策発表が予定されています。今のところ、銀行を巡る混乱は後退しており、市場は85%の確率で0.25%の利上げを、残りの15%は利上げ停止を見込んでいます。FRBが利上げを実施する場合、市場は今回が最後の利上げになる可能性が高いと考え、秋頃の利下げを期待することになるでしょう。

今後のFRBによる金利予測にも注目が集まります。12月の金利予測では、最終レートは年末までに5%以上との予想でしたが、市場価格は現在、年末までに4.3%ほどに留まると予想しています。この予想には大きな差が生じていますが、本日の発表で差が縮むと思われます。
要するに、堅調な米経済データはFRBによる利上げを正当化し、特に銀行セクターの流動性が強化されている中、FRBは5%近くまでの金利予測を維持する根拠になり得ます。FRBは先週のECBのように、インフレ抑制のために利上げを実施し、銀行システムに新たな問題が生じた場合に対処策の準備ができていることを主張することも可能です。

本日の政策決定に対しては、何年かぶりに当局側で意見が分かれるかもしれません。銀行を巡る混乱後、銀行による貸し出しを抑制することが期待されています。FRBの中には、この動きがインフレとの戦いにおいても役立つと考え、金利の一時停止を主張するメンバーもいるでしょう。一方、堅調な米経済を強調して、利上げを推進すべきと主張するメンバーもいるでしょう。

FRBの政策発表に市場はどう反応するか

市場は早くも、FRBによる早期の利下げを期待しているようです。したがって、もしFRBがこの予想に反して、年末までのレートを5%近くまで維持する場合は、市場に動揺が広がることになるかもしれません。

FRBが金利予測を維持する場合、利回りを押し上げ、米ドルの上昇となる可能性があります。反対に、日本円に打撃となり、円安となる可能性が高いため、ドル/円は特に鋭い反応を示すかもしれません。

利上げ観測への期待は、利回り下落の中、恩恵を受けて急騰したテクノ株や仮想通貨といったリスク資産には良い材料とはならないでしょう。ゴールドも、利回りと米ドルの上昇によって、同じように打撃を受けるかもしれません。

株価上昇、英中銀利上げ観測からポンド上昇

一方で、株式市場は、S&P500が昨日1.3%上昇し、タカ派的なFRBのリスクに特に懸念していないようです。債券市場は利回りが上昇し、異なる展開のようです。これは、FRB政策発表前のヘッジ活動が見通しを不透明にさせているのかもしれません。

本日の株式市場の変動の一因は、VIXオプションの期限切れかの可能性があります。オプションが満期となる市場は、変動を呼び起こし、株式市場もFRBによる発言に敏感になるでしょう。

最後に、イギリスのインフレ率が予想以上に上昇したことから、ポンドは本日、早い取引で市場を牽引しています。イギリスのインフレは2桁にとどまっているため、明日のイングランド銀行よる政策発表で、市場は0.25%の利上げを予想しており、今後の政策についても何らかの見解が示唆されると期待されています。