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・FRB利上げ観測上昇も米ドル急騰ならず
・日本円とゴールドは米国債利回り上昇から影響受ける
・米株式市場は底堅く推移
FRB利上げ観測も米ドルは横ばい推移
ここ最近の好調な米経済指標の発表は、景気後退懸念を払しょくし、FRB利上げ観測に信ぴょう性を与えました。また、米労働市場の堅調さを表すと同時に、消費者需要の回復力とインフレ抑制の不十分さも明らかになりました。そのため今後も、インフレとの戦いに向けて、FRBによる積極的な政策の必要性への期待が高まっています。
FRBは、商品価格の冷え込みと住宅価格の下落が最終的に家賃に反映されると確信しているため、住居費を除いたサービスインフレを最も重視してきました。米インフレ指数は、昨年から7.2%上昇し、粘着性を示唆しており、金利は「より長期的に上昇する」とのFRBの概念を裏付けています。
市場は最終レートを5.3%に押し上げ、年内の利下げをほぼ除いて上方修正しました。この修正は、米国債利回りの上昇につながり、米1年物財務省短期証券は現在5%となっています。
しかし、堅調な米経済データと債券市場の変動にも関わらず、米ドルは横ばい推移で、ユーロやポンドに対してもほとんど上昇しませんでした。一方、株式市場の楽観ムードが米ドル低迷の悲観ムードを凌いで反映する可能性があります。
米国債利回り上昇に日本円とゴールドは影響受ける
この市場の最終レート修正とそれに伴う利回り急上昇の一番被害を受けたのは、日本円でしょう。日銀によるイールドカーブ・コントロールによって、国内利回りの上限が0.5%と設定されているため、外国の利回りが上昇して金利差が拡大するほど、円が弱くなっています。
しかしながら、日本国内の賃金上昇とインフレ加速によって、日銀は黒田総裁の任期終了前に、再び利回りの上限を引き上げるのではとの憶測が高まっています。もし修正することになると、特に世界経済の成長への懸念が表面化する場合、円への圧力の一部を緩和することになるでしょう。
ゴールド価格も米利回りの上昇から影響を受けています。ゴールドは現在、米財務省短期証券のリスクフリーレート5%と競合しており、保有に利息を伴わないゴールドは、需要が低下しています。しかし、中国人民銀行が1月にゴールドの保有率を増加したため、ゴールドが弱気トレンド市場になることはないようです。
米株式市場は復活なるか
米株式市場は先週金曜日、S&P500などの指数が、初期の損失を帳消しするなど大きく変動しました。この動きの背景には、毎月のオプションの有効期限が売りを抑えるのに役立ったという説もあります。
小売業者の間での短期オプションの急騰は、全オプションの取引量のほぼ半分が現在同じ日に取引満了の契約となるため、株式市場のレジームシフトを示しています。オプションフローが強気となる場合、変動を抑制し、市場の安定に役立ちます。しかし、センチメントが弱気となる場合、市場の売りを増幅させる可能性もあるため、このダイナミクスは株式市場に大きな影響を及ぼします。
また、これらの流れはファンダメンタルズを活気づけるものではないため、株式市場の楽観ムードにつながります。S&P500は今年の予想利益の18倍以上で取引されており、収益がマイナスとなり、利回りが上昇している中、バリュエーションは依然として割高となっています。これは株式市場とってリスクになる方式と言えるでしょう。
本日はプレジデントデーで祝日のため、米国の株式市場は休場となっています。