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• FRB政策決定を明日に控え米ドル上昇
• スペインのインフレは6か月ぶりに加速
• ユーロ/ドルは下落も明るい見通し
• 米国債利回り上昇で米株式市場にも影響
FRBは小幅利上げもタカ派姿勢は継続か
昨日、米ドルは他の主要外貨に対して上昇し、本日も続伸しています。
主要なデータやイベントが欠く中、市場は明日の米政策発表を前にショートポジションの一部を清算しているようです。明日の会合では0.25%の利上げが予想されており、FRBの中には、利上げの減速が適切であると公言するメンバーもいます。
しかしFRBは依然として、最終レートを5%以上とし、長期間の据え置きを主張しています。そのため、明日の会合後の声明とパウエル議長の会見は、タカ派寄りに聞こえるかもしれません。
一方で市場は、5%未満を最終レートとし、年内の0.5%利下げも織り込んでいます。
明日の会見でのタカ派姿勢は米ドルにやや有利になるでしょう。ただ、市場はFRBの方向転換を示唆するデータ発表後は積極的に米ドルを売るようです。しかし、米経済の堅調なデータ発表後でも、それほど米ドル買いには動いていません。そのため米ドルが急騰する可能性は低く、明日のFRBタカ派姿勢によっては、0.5%利上げの継続を確信して、ドルの上昇を限定的にするかもしれません。
スペインのインフレ加速でECBタカ派強調か
先日、スペインのインフレが半年ぶりの加速とのデータを受けて、欧州株式市場は売り圧力を受け、赤字で取引を終えました。このデータにより、ECBの今後の会合での0.5%利上げ継続との見方が強まりました。ドイツの第4四半期の経済成長が予想外に縮小したことも材料視されたのかもしれません。しかし、1月のユーロ圏全体のPMI速報値は、成長に転じたため、これらの懸念も薄れる可能性があります。
ユーロ圏の経済は、依然として景気後退のリスクがありますが、当初の予想よりは後退リスクは緩和すると見られています。明日発表のユーロ圏インフレ加速予想と相まって、ECBはタカ派姿勢を強め、ユーロは上昇し続けるかもしれません。
今週の米政策発表と堅調な労働指標により、ユーロ/ドルが下落したとしても、この下落は新たな買いの機会となる可能性があります。そして、この潜在的な復活によって、この通貨ペアは近い将来1.1175辺りとなるかもしれません。ユーロ/ドルペアの上昇トレンドを遮るものは、ECBのハト派転換となるでしょう。
米国債利回り上昇、FRB会合を前に米株価下落
昨日、米ドルとともに、米国債利回りも上昇し、米株式市場は赤字で取引されました。米株式主要3指数全て下落し、特に金利に敏感なナスダックはほぼ2%の下落となりました。市場はFRB議長とそのメンバーのタカ派姿勢を織り込んでいるようですが、ナスダックとS&P500共に、以前の下降トレンドラインを超えて取引されているため、投資家の長期的計画は今のところ未知数です。
今週木曜日に、ハイテク大手のアップル社、アルファベット社、そしてアマゾン社の収益報告が控えており、市場の見解を明確にするかもしれません。しかし、S&P500の総利益は現在3%減少と予想されており、各社の収益報告が低調でも、小幅減少を示す場合は、復活の見込みがあるでしょう。
しかしながら、米経済指標がさらなる景気後退を示す場合、ダメージを受けた経済は、企業とその将来の収益にとっては明るい材料とはなりません。S&P500の場合、強気の投資家でさえ、4150前後辺りが抵抗領域となるでしょう。