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・今週の世界主要中銀による政策発表を控え、為替市場は様子見
・米株式市場は上昇ラリーから一段落
・原油価格はOPEC会議に注目
世界主要中銀の政策発表を前に為替市場は様子見
今週は、FRB、ECBそしてイングランド銀行の政策発表が予定されています。また、米株式市場のハイテク大手の今期の収益報告と米雇用レポートを控え、世界市場のボラティリティの変動に起因する発表が続きます。
中でも、水曜日に発表されるFRBの発表に注目が集まります。米インフレはついに減速を示し、経済成長も勢いを失っているようです。しかし、米雇用市場は非常に堅調にも関わらず、経済状況は緩和しているため、第2のインフレが起こりうるリスクがあるからです。
市場は今回0.25%の利上げを完全に織り込んでいます。そのため、会合後のパウエル議長の発言を材料視することになるでしょう。利上げの縮小へのタカ派姿勢は、引き締めサイクルの終焉の先伸びを確信させ、今年後半での利下げ観測を低下させる可能性があります。
一方、ECBとイングランド銀行は依然として0.5%の利上げが予測されています。イングランド銀行に関しては疑問も残りますが、ポンドは英経済の景気後退リスクへの懸念と株式市場のパフォーマンスに影響されるでしょう。
楽観ムードの株式市場は一息
株式市場は今年はこれまで楽観ムードが漂っています。ナスダックが主導する米株式指数は上昇しており、VIX(恐怖指数)はFRBの引き締めサイクル始まって以来、最も穏やかに推移しています。これは、最もリスクの高い、低質の企業が主導していると言えます。
ミーム株も、仮想通貨の代替として復活し、有効期限ゼロ日の非常に危険なオプションとして、市場は2021年のようにギャンブルの様相を呈しています。
この楽観ムードの背景には、FRBの量的引き締めサイクルによる影響からの流動性によります。米国財務省は別の債務上限のこう着状態に直面し、FRBの現金バッファーを使い果たしているため、流動性が金融市場に戻ってきたからです。
このため最新のラリーは、一時的な流動性の注入と異例のオプション活動、およびショートポジションの圧迫によって可能となった現象といえます。S&P500は現在、成長鈍化の中で今年の推定利益の約18倍で取引されています。今週の大手ハイテク社の収益報告結果やFRBの予想外の利上げによっては、株式市場は売りの圧力に対して弱くなるでしょう。
原油価格はOPEC会議に注目
コモディティーでは、中東の新たな緊張にも関わらず、本日原油価格が下落しています。イランの軍事施設へのドローン攻撃において、イスラエルの関与を示唆するレポートにより、中東に緊張感が広まっています。
今のところ、石油のインフラは被害を受けていないようですが、地政学的な緊張に直面してもなお、エネルギー市場は落ち着いているようです。原油価格は、中国再開への楽観ムードが欧州と米国の景気後退懸念を退け、ここ数か月横ばいで推移しています。明日より開催されるOPEC会議にも注目が集まります。
本日は重要な経済指標の発表はなく、今週後半の主要国中銀による政策発表に先立って、ポジション調整とヘッジに市場は帰着するかもしれません。