デイリーマーケットコメントー米経済は縮小領域、カナダ中銀本日政策金利発表

投稿日: 2023年1月25日19時05分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・米経済は縮小領域もユーロ圏経済は成長圏内に復活
・豪インフレ加速で豪ドル上昇
・カナダ中銀は本日政策金利発表
・米株式市場は企業収益報告に注目

米PMIは縮小領域もユーロ圏PMIは成長へ

昨日のユーロ圏PMI速報値が経済成長を示したにも関わらず、市場の反応は限定的でした。しかし、同日発表された低調な米PMI指数との比較で、ユーロは対米ドルで上昇トレンドに留まったようです。

12月の米製造業およびサービス業PMI指数は、12月よりは上昇したものの、縮小領域に留まりました。これは、世界最大の経済活動が縮小し続けていることを示唆しています。そのため、FRBによる利上げ幅縮小と年内の0.5%の利下げ観測を裏付けた形になりました。

一方欧州では、イタリアやギリシャ中央銀行総裁の慎重姿勢にも関わらず、ECBによる次の2会合連続での0.5%利上げが予想されています。おそらく市場は、先週のラガルド総裁による高インフレに対応するための利上げコースを維持すべきとの意見を材料視したのでしょう。総裁はまた、この意見に疑問を唱える者は、立場を修正すべきと述べました。

来週開催されるFRB とECB両政策会合に向けて、ユーロは米ドルに対して恩恵を受けるかもしれません。ユーロ・ドルは、今月12日にキーとなる1.0800圏内を突破した後、上昇し続けており、近い将来、1.1175圏内まで更新するかもしれません。

豪ドルはインフレ加速で上昇、カナダドルは本日金利政策発表

昨日、オーストラリアのインフレ率が発表され、第4四半期にて予想以上の加速を示し、豪ドルが本日上昇しました。総合インフレ率は33年ぶりの高水準となり、豪中銀による大幅利上げ観測を高めました。

市場は豪中銀による次回会合での0.25%の利上げを80%の確率で支持しています。また、2四半期続けて、利上げの上昇も織り込んでいます。中国再開への期待も伴って、豪ドルは対米ドルで、しばらく上昇トレンドが続くでしょう。

一方、カナダでは本日政策金利発表を控えているため、カナダドルにも注目が集まります。市場は、75%の確率で今回0.25%の利上げを予測しています。

実際にカナダ中銀が更なる利上げを実施する場合、カナダドルも上昇する可能性があります。市場はこれが最後の利上げと予想しているため、カナダ中銀が今後の利上げを示唆する場合、カナダドルの上昇は続くかもしれません。

米株式市場は企業の収益報告に注目

昨日の米株式市場は、まちまちな企業収益結果と技術の不具合によって、S&P500とナスダックはマイナスで取引を終えました。ダウ・ジョーンズのみが利益を上げました。

80銘柄以上が技術の不具合の影響を受け、市場は混乱を引き起こしました。始値が大きく変動したことで、米国証券取引委員会による調査を促しました。第4四半期の企業収益報告も本格化しています。

S&P500の下落は産業の損失に起因しているかもしれません。しかし、マイクロソフト社は脆弱な経済の中で好調な収益結果となり、株価も4%以上急騰しました。本日はテスラ社による収益報告が予定さており、収益は2、415万ドル、1株当たり1.13ドルの利益が見込まれているようです。