デイリーマーケットコメントー堅調な米労働市場もドル下落、ユーロ復活、円はやや下落

投稿日： 2023年1月20日19時00分（JST）投稿. 詳細を読む JP Blog

・米新規失業保険申請件数の減少も米ドルは下落
・ECB総裁タカ派発言でユーロ復活
・日本円は小幅下落も上昇トレンド

米新規失業保険申請件数の減少も米ドルは下落

先日、米ドルはリスク連動通貨の豪ドルとNZドルに対しては上昇しましたが、他の主要外貨に対して下落しました。本日、米ドルは日本円とポンド以外、全ての外貨に対して下落しています。

FRBのタカ派姿勢にも関わらず、市場はまだ金利の行方を模索しているようです。FRBは、5％以上の最終レートを長期間据え置くと示唆しています。しかし、水曜日の脆弱な米経済指標を受けて、市場は最終レートを4.85％に引き下げましたが、本日は4.9％に引き上げています。

先週の米新規失業保険申請件数は、20万5千件から19万件に減少しました。このため市場は、堅調な労働市場が金利上昇につながることを材料視しているのかもしれません。

しかし、米ドルの復活とならなかった背景には、市場は堅調な結果でドル買いを進行するよりも、軟調な結果でFRBが政策転換する場合に、ドル売りを行う意思があることを裏付けています。FRBメンバーが5％以上の最終レートの必要性を強調した後も、市場価格はドットプロットが示す5.125％の水準を下回っており、依然として年末までの0.5％利下げを織り込んでいます。

ECB総裁のタカ派発言でユーロ復活

一方、ユーロは昨日、対米ドルで1.0800ドルを超えて復活しました。ダボスでの世界経済フォーラムにてECBラガルド総裁が、ユーロ圏の高すぎるインフレにより、利上げコースを維持すると発言したことが背景にあります。この発言で、ECBの3月会合での利上げ鈍化検討とのレポートを一蹴した形になりました。ラガルド総裁はまた、ECBの疑念は立場を見直すべきとして、0.5％の利上げを継続する意図を述べました。

このため、ユーロ／ドルは上昇し続け、新たな経済指標結果によっては、3月末までに1.1175ドルまで上がるかもしれません。

一方、日インフレ率が総合とコアともに日銀目標である2％の倍以上となり、円は下落しました。市場は現在、黒田総裁の任期満了となる4月での日銀の政策修正に期待が高まっています。

米株式市場は続落

米株式市場は、3つの主要指数全て下落して取引を終えました。脆弱な米経済指標が米経済の景気後退懸念を高めたことが背景にあり、これは米国債利回りのわずかな回復にも裏付けられます。

株式市場の主な推進力は、投資家たちの景気後退に関するムードの変動に左右されているようです。第4四半期の収益報告と経済指標が景気後退懸念を高める場合、株価は下落し続けるでしょう。

反対にゴールドは、米ドル後退と景気後退懸念の恩恵を受けて、安全資産としての地位を取り戻したようです。米国債利回りのわずかな回復にも関わらず、ゴールドはさらに上昇しました。次のレジスタンスとなる2000付近まで上昇するには十分な余地がありそうです。

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