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・市場は明日の米CPI発表まで様子見
・明日の米インフレ減速を期待して米株価上昇
・米ドルの売りは回避も豪ドルとゴールドは上昇
市場は明日発表の米CPIの結果待ち
昨日のスウェーデン国立銀行による討論会にて、FRBパウエル議長が今後の金利見通しへの発言を控えたことで、市場に安堵が広まりました。パウエル議長がこの機会を利用して、政策転換への期待に反発するとの懸念があったため、先週の米雇用統計と米ISM指標の結果に対し、市場の楽観姿勢に影を落としていました。
今週のアトランタ連銀ボスティック総裁等のタカ派発言により、パウエル議長も同様な発言を繰り返すと考えられていたため、昨日は新たな発言がなく、市場は歓迎したようです。米賃金圧力の緩和とサービス部門の急速な減速といった先週末の指標結果は、市場のセンチメントを盛り上げましたが、FRBタカ派発言により景気後退懸念が復活しました。
明日発表の米CPI指数が12月のインフレ減速を示唆する場合、FRBの金利引締め政策の終焉が近いことに期待が高まるでしょう。FRBボウマン理事は先日、利上げにおいては目標を達成していないと主張しましたが、市場は強気なFRBに疑問を投げかけているようです。
FF金利の最終レートは、先週のNFPレポート発表後5%を下回り、パウエル議長は依然として、その期待を一蹴する可能性があります。しかし、明日の米インフレデータが予想を下回る場合、市場を納得させるのは難題となるでしょう。
米株価は2日上昇の後、横ばい推移
米株価は、米CPI指数が下回ることを前提に、ムードが上昇しています。また、アマゾン社が人事削減計画を発表したため、株価が約3%上昇し、ワーナーブラザーズ・ディスカバリーの株価もアナリストのアップグレードにより8%以上急騰しました。
ナスダック総合指数は2日連続でS&P 500とダウジョーンズを上回りました。しかし、本日は米株式市場は、すべて横ばい推移です。欧州の株価は昨日の損失から上昇しています。
米ドル低迷、豪ドルは豪CPI結果を受けて上昇
明日のCPI指数発表を控え、本日の米ドルは堅調に推移しています。ドル指数は103付近でサポートされ、CPI指数によって下振れする可能性があります。一方ユーロは、1.0760ドル辺りのレジスタンス区域で推移しています。
ほぼ全ての主要外貨も横ばいで推移しています。例外は豪ドルで、堅調な経済指標を受けて対米ドルで約0.4%上昇しました。
11月の豪インフレ率は前年比で7.4%上昇と過去最高を更新しました。豪小売売上高も予想以上に増加し、豪中銀の利上げ停止への期待を打ち砕きました。
また中国の経済再開によって、今後需要の完全回復が見込まれるため、一時産品価格が急騰し、豪中銀への圧力となっています。
メタル価格がコモディティ価格上昇を牽引
今年に入って銅価格は約7%上昇し、2023年に原油価格が100ドル越えを達成すると予測するアナリスト数も増加しています。一方で、景気後退への懸念、及び感染拡大を背景に中国の原油需要回復に懐疑的な見方により、原油価格の上値が重くなっています。
そのため、楽観的な見方が強まる一方で、今年に入って原油先物価格6%低下しています。昨日の米石油協会の指標で明らかになった原油在庫増加を見極める為、本日の米原油在庫には、市場の注目が集まるでしょう。
一方、国債利回り低下、及びインフレ鈍化見通しにより、最近のゴールドは上昇が継続しています。ゴールドは、8か月ぶり高値1886ドルを更新したばかりです。